【E-1選手権・香港戦|展望】大島&田中碧の“川崎コンビ”が鍵。韓国を苦しめた守備ブロックを破る有効策は…

2019年12月14日 多田哲平(サッカーダイジェスト)

サイド攻撃が打開策に

両チームの予想布陣。日本の11人中7人がA代表初出場となりそう。(C)SOCCER DIGEST

 日本代表は12月14日、E-1選手権の2戦目で香港代表と対戦する。FIFAランキングでは日本の28位に対し139位。香港は明らかな格下ではあるものの、森保一監督は「非常に集中力が高く、粘り強いチーム」とその印象を語る。

 実際に香港は、4-1-4-1システムで臨んだ1戦目の韓国戦で、時には6バックになってゴール前を固める割り切った戦い方をしていた。セットプレーから2失点したものの、流れのなかからは1試合を通じてゴールを許さなかったのは事実で、手堅く守られると日本も苦戦する可能性はある。

 もっとも、ほとんどの時間でボールを保持できるはずだ。韓国戦の香港のボール支配率は、わずか16.6パーセント。さすがに日本が終始、主導権を握られることはないだろう。
 
 そこで最大のポイントは、人数をかけて守りを固める相手をいかに崩すかだ。「サイドチェンジが有効」だと分析する森保監督は、選手たちには、逆サイドに展開してからクロス、という練習を反復して行なってきた。

 CFで先発出場が予想される小川航基の「引いて守る相手なら、無駄に僕が落ちて受ける必要はない。逆に僕が駆け引きを繰り返して最終ラインを下げないといけない。それにサイドでどんどん起点を作って、クロスから得点を狙うのが非常に大事になってくる」という言葉からも、サイド攻撃が打開策になるのは間違ない。

 迫力のあるサイド攻撃を展開するうえで鍵を握るのは、大島僚太と田中碧のダブルボランチだろう。川崎でもコンビを組むふたりは、ポゼッションを身上とするチームの柱となっている。このふたりに求められるのは、当然ながら的確なパス捌きだ。素早く左右に散らしてサイドチェンジを促し、またスピーディなパス交換で相手を揺さぶり、前線にスペースを作っていきたい。そこに小川だけでなく、2列目から田川亨介や仲川輝人が飛び込んでいくような分厚い攻撃を仕掛けられれば、自ずと決定機が生まれてくるはずだ。

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