中国の”カンフーキック”に屈しなかったタフガイ橋岡…次戦で求めたいのは攻撃のダイナミズム

2019年12月11日 多田哲平(サッカーダイジェスト)

84分に途中交代を命じられる

中国戦では相手と激しく衝突しながらも84分までプレー。しかし得点を演出できなかった。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

[E-1選手権2019]日本2-1中国/12月10日/釜山九徳スタジアム

 中国戦はタフなゲームだった。序盤から記者席にまでバチッという競り合う音が聞こえてくるほどのマッチアップが繰り広げられ、肉弾戦の様相を呈していった。

 31分には、飛び上がった相手の足が右ウイングバックの橋岡の頭部を強打する、危険なラフプレーまで見られた。

 その後84分までプレーした橋岡は、相馬勇紀と途中交代し、ピッチを退いた。

 試合後のミックスゾーンでは、報道陣の質問に冷静に受け答え。「途中で足を攣ってしまったので。体力的には大丈夫だったんですけど、足にきちゃって」と"カンフーキック"を受けた頭部よりも、走り過ぎて足を攣ったことを気にしている様子だった。
 
 攣った足自体は「大丈夫だった」が、森保監督からは「しっかり次の試合に備えられるように」という言葉をかけられながら途中交代を命じられたという。

 なにより頭部が無事のようで良かったが、橋岡自身、悔いが残るのは、プレーの内容だろう。

 足を攣るほどの精力的なアップダウンには目を見張るものがあった一方で、ボールを持った時のアイデアには欠け、なかなか決定機を演出することができなかった。

「左サイドが空くことが多く、右サイドは少し相手が詰まっていた。前半僕のサイドからはあまり攻撃できなかったですけど、すごく攻撃したかったというのはあります。ただ、そこは我慢して、後半には必ず回ってくるはずなので、そこで関われたらいいなと思っていました」

 そう話していたものの、後半もチーム自体にやや停滞感が生まれたせいで、橋岡の攻撃チャンスはそれほど多くなかったのは惜しい。鋭いクロスを上げたのは2度くらいで、チームを活性化させられなかった。

 もっとも中国のラフプレーをモノともしないタフガイには、次戦の香港戦か3戦目の韓国戦でも出番は訪れるだろう。次は持ち前のダイナミズムを活かして、得点機に絡む姿が見たいところだ。

取材・文●多田哲平(サッカーダイジェスト編集部)

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