【日本代表】ミシャも認める規格外ストライカーがついにA代表初得点!それでも鈴木武蔵が笑わない理由

2019年12月10日 多田哲平(サッカーダイジェスト)

まさに真骨頂が表われたゴールだった

待望のA代表初ゴールを決めた鈴木。さらなるゴールラッシュに期待が懸かる。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

[E-1選手権2019]日本2-1中国/12月10日/釜山九徳スタジアム

 森保一監督が率いる日本代表は12月10日、E-1選手権の初戦で中国と対戦。2-1で勝利した。

 この試合で値千金の先制ゴールを決めたのが、鈴木武蔵だ。シャドーで先発出場すると、持ち前のスピードを活かして前線を奔走。すると29分。森島司からのクロスに左足で合わせて先制点を奪ってみせる。佐々木翔のパスを起点に流れるようなパスワークで相手の守備陣を攻略した連係は見事だったが、それをきっちり決め切った鈴木の決定力も称賛に値する。

 相手最終ラインを突破した森島司からの鋭いクロスが送り込まれてきた時、鈴木は「相手に走り勝つことだけ考えて走った」という。

「僕は森島君とは逆のシャドーだったので、突破できた時の準備と相手との駆け引きを準備しながら、あそこにいた。完全に森島くんが前に突破したので、ニアでしっかり相手に走り勝つということが重要でした」

 持ち前の快足でDFのマークを置き去りにして、ゴール前に飛び込み、ワンタッチで豪快に決める――まさに真骨頂が表われたゴールだった。これまで代表ではCFと2トップが主戦場だったが、シャドーでの可能性を森保監督に示したと言っていい。

 もっとも「札幌では1トップもシャドーもやっているので、どっちもそんなにやりにくさはないです。特徴を出すことは変わらない」。「ミシャ(ペトロヴィッチ監督)にも切り替わった時のスピードは特別なものがあると言われていたので、もっとそれが出せればいいなと思います」と、札幌の指揮官に認められた武器に自信を窺わせる。
 
 鈴木にとってはA代表初ゴール。今年3月にデビューしてから実に9か月越しの歓喜だった。しかし――。

 鈴木の表情が緩むことはなかった。待ちに待った初得点を決めたことで、さらなる欲が芽生えてきたからだ。

 1点じゃ足りない。まだまだ取らないと、もっとインパクトを残さないと――。

「試合中も思っていましたし。次いきたいなって。試合は続くので、また準備してやっていきたいです」

 ついにA代表でも才能を垣間見せた鈴木は、今大会でのアピールに激しく燃えている。ミシャも認める規格外ストライカーのさらなるゴールラッシュに期待したい。

取材・文●多田哲平(サッカーダイジェスト編集部)

【代表PHOTO】中国 1-2 日本|鈴木武蔵の代表初ゴール、三浦弦太の追加点で初戦白星スタート!
 
みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事