右足親指を骨折も天皇杯は「全力で」。イニエスタが語った盟友ビジャへの想いとアジアNo.1へのモチベーション

2019年12月05日 サッカーダイジェストWeb編集部

「最後の試合は1月1日の決勝。そこで勝利を飾ることができれば」

合同会見に応じたイニエスタ。盟友との最後の試合は「1月1日の決勝」と決意を示した。

 驚きの告白だった。ヴィッセル神戸に所属する元スペイン代表MFアンドレス・イニエスタが5日、右足親指を骨折していたことを明かした。神戸市内で行なわれた非公開練習後、報道各社の合同取材に応じた。

 サンダル履きで会見場に現われたイニエスタだが、患部は白いテーピングで固定されていた。本人によると「軽い骨折」で、9月28日の27節・川崎戦(等々力)で負傷したという。直後のアウェー広島戦(10月5日)には先発出場し85分間プレーしたが、10月19日のホームでのFC東京戦は欠場していた。「コントロールできない部分ではあるので、ちょっとアンラッキーだった」と振り返ったイニエスタは、負傷後も痛みを堪えながら4試合に先発出場した。

 前節の敵地での鹿島戦(11月30日)を欠場しており、7日の最終節・磐田戦(ノエスタ)の出場については「練習のパフォーマンスを見て決まると思う」と話すにとどめた。21日には、神戸にとって初タイトルが懸かる天皇杯・準決勝の清水戦(ノエスタ)を控えており、「一番大事なのは天皇杯の残り2試合。全力で挑みたいと思っている」と決意を滲ませた。

 天皇杯は今季限りでの現役引退を表明している元スペイン代表FWダビド・ビジャにとって最後の公式戦となり、イニエスタの言葉に熱が込もるのも必然だ。「彼(ビジャ)と共にチームとして素晴らしい試合をしたい。最後の試合は1月1日の決勝。そこで勝利を飾ることができれば。彼にとっても最高ですし、自分にとっても素晴らしい経験になる」と、盟友との戴冠に思いを馳せた。

 今季27試合で12得点と、38歳を迎えてもなお決定力を維持し続けるビジャに対して、引退を惜しむ声も多い。だが、イニエスタは「周りの声と選手個人の感覚には齟齬が生じるもの」と言う。「選手自身がどれだけ自分に期待しているか、そして皆さんがプレーを見る90分間だけではなく、試合後のリカバリーにどれだけ時間が掛かるかなど、そういったことを総合的に判断したのではないか」と持論を展開した。
 

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