このままではチーム解体? 2015年のドルトムントはどうなる!?

2014年12月31日 マルクス・バーク

フンメルスがロイスと異なるのは…。

バイエルンとは相思相愛か? ロイスは2015年夏の移籍が濃厚だ。 (C) Getty Images

 開幕から調子が上がらず、降格圏の17位でウインターブレークを迎えたドルトムント。後半戦になっても巻き返しのきっかけをつかめず、2015-16シーズンのチャンピオンズ・リーグ(CL)出場権を逃せば、タレント大量流出は十分に想定できるシナリオだ。
 
 マルコ・ロイスを筆頭に移籍の噂がある主力8人の去就に加え、ユルゲン・クロップ監督の進退を、ドルトムントに精通する地元紙のマルクス・バーク記者が占った。
 
(※ワールドサッカーダイジェスト2014.12.18号より一部修正・加筆)
 
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マルコ・ロイス(ドイツ代表/MF)
移籍の可能性:特大
 
 12節のパーダーボルン戦で右足首の靭帯を損傷し、年内の復帰は絶望的。2014年に入って6度目の故障で、元ドイツ代表のエッフェンベルクは「この負傷はドルトムントに幸運をもたらすかもしれない。大した貢献ができないままチームを去るのはロイスの本意ではないだろう」と語っている。
 
 ただ、わたしはそうは思わない。バイエルンを筆頭に複数のメガクラブが強い興味を示しているからだ。来夏から適用される違約金は2500~3000万ユーロ(約35億~42億円)で、潤沢な資金を持つクラブであれば十分に捻出できる。
 
 ロイス本人はいまだ手にした経験がないタイトル(ブンデスリーガやチャンピオンズ・リーグ)の獲得を望んでいる。ドルトムントが15-16シーズンのCL出場権を逃せば、来夏の退団は避けられないだろう。
 
 最も有力な移籍先は、バイエルンだ。超一流のタレントを揃えるこの絶対王者でプレーすれば、タイトルは約束されたも同然。破格のサラリーが用意されるのは間違なく、なによりかつての同僚で、親交の深いゲッツェの存在が移籍を後押しするはずだ。これだけ好条件が揃っていれば、あえてドイツを離れる理由は見出しにくい。
 
マッツ・フンメルス(ドイツ代表/DF)
移籍の可能性:中
 
 トップクラスのCBを求めるクラブにとっては、喉から手が出るほど欲しい人材だろう。ベッケンバウアーに喩えられるように守備者としての能力に疑問の余地はなく、マンチェスター・ユナイテッド、アーセナル、バイエルンなどが熱心にその動向を追っている。
 
 ロイスと同じく、フンメルスも常にタイトルを争える環境に身を置きたいと考えているようだ。異なるのは、違約金の条項が契約に盛り込まれていない点。キャプテンだけにチームに対する忠誠心は強く、好条件のオファーがない限り、残留するはずだ。
 
 移籍に踏み切るとしたら、ロイスやギュンドアンといった複数の主力を引き抜かれ、「もうこのクラブではタイトルを獲れない」と見限った場合だろう。
 
チーロ・インモービレ(イタリア代表/FW)
移籍の可能性:中
 
 今夏に1940万ユーロ(約27億円)の移籍金で加入するも、リーグ戦はわずか3ゴールと前半戦は期待に見合った活躍を披露できなかった。
 
 とはいえ、2年目にブレイクしたレバンドフスキ(現バイエルン)の事例を振り返れば、このイタリア代表FWに見切りをつけるのは早計だ。クロップ監督も、長い目で彼をエースに育て上げる腹積もりだろう。いずれにせよ、1年での放出は考えにくい。
 
 だが、十分な出場機会を与えられない現況に、本人が満足しているとは思えない。母国イタリアではその得点センスが高く評価されており、前線に多くの故障者を抱えるフィオレンティーナが獲得に興味を示しているという。その誘いに乗って、移籍を志願する可能性は否定できない。
 
イルカイ・ギュンドアン(ドイツ代表/MF)
移籍の可能性:大
 
 昨年8月に腰を痛めて1年以上戦列を離れている間に、15年6月までだった契約を1年延長。しかし、ドルトムントへの愛着がさほどあるわけではない。
 
 将来的な国外移籍を希望しており、あるメディアには「いつかはスペインやイングランドでプレーしたい」と語っている。以前に正式オファーがあったレアル・マドリーあたりから再び誘いを受ければ、退団を決断するだろう。

次ページ残留が規定路線なのは――。

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