【横浜】今度は“当事者”として優勝決定戦のピッチに。「勝ちますよ」と遠藤渓太はぽつり

2019年12月01日 広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

「あのシュンさんの姿を見るのは辛かった」

川崎戦では途中出場から1ゴール。勝利を決定づける働きぶりだった。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

 横浜の下部組織に所属していた16歳の遠藤渓太は、トップチームの2013年シーズンの最終節をテレビで見ていた。

「有利な状況だったっていうのは記憶しています。その時、僕はまだトップと関わりがないから、選手たちの感情とか心情は分からないけど、でもやっぱり、あのシュンさん(中村俊輔/現・横浜FC)の姿を見るのは辛かったですね」

 13年シーズンの最終節、首位の横浜はアウェー川崎戦で勝てばリーグ優勝が決められたが、結果は0-1の敗戦。鹿島に勝った2位の広島にまくられ、タイトルを逃した。試合終了と同時に、ゆっくりとピッチに崩れ落ちる俊輔の姿が、すべてを物語っていた。

 あの時、掴み損ねたリーグタイトルが再び、間近に迫っている。勝点3差で迫る2位のFC東京との直接対決となるホームでの最終節、引き分け以上の結果か、3点差以内の敗戦でも、横浜の優勝が決まる。今度は"当事者"として、遠藤はこの最終決戦に挑むことになる。
 
「待ちわびていたというか、選手のみんなはもちろん、メディカルの人や広報の人も含めたスタッフもそうだし、F・マリノスに関わるすべての人に、悔しい思い出があると思う。今、優勝のチャンスがあって、頑張らなければいけないし、すべての人の想いを背負って戦う義務があると思う。

 そのうちのひとりに自分がなるなら、しっかりと責任は全うしたい。当時(2013年)、悔しい想いをした人たちの気持ちは、自分には分かり得ないものだけど、僕らは僕らなりにというか、自分たちらしく試合に臨めればいい」

 4-1で圧勝した33節の川崎戦で、81分に途中出場した遠藤は勝負を決定づけるチーム4点目をゲット。相手のミスをついてGKと1対1の状況を作り出したエリキからの横パスを受け、無人のゴールに流し込んだ。この川崎戦も、自分たちが勝って、浦和と対戦したFC東京が負ければ横浜の優勝が決まったが、FC東京対浦和は引き分けに終わり、優勝決定は最終節に持ち越されることになった。

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