【横浜】“優勝”がかかる“等々力”で想起される6年前の絶望――あの悔しさを払拭できるか

2019年11月29日 広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

優勝に相応しいチームであることを証明したい

前節のアウェー松本戦で勝利し、優勝に王手をかけた横浜。条件付きだが、“因縁”の等々力でタイトルを掴むチャンスが訪れた。写真:徳原隆元

 条件付きだが、現在、首位に立つ横浜が優勝に王手をかけた。

 J1リーグ33節、アウェーゲームとなる等々力での川崎戦に勝利し、2位のFC東京が浦和に敗れれば、3位の鹿島の勝敗に関係なく、横浜の15年ぶりのリーグ制覇が決まる。

"等々力"での"リーグ優勝がかかるゲーム"――このふたつのキーワードで思い出されるのは、6年前の絶望だ。

 2013年シーズンの最終節、首位に立つ横浜は等々力での川崎戦で勝てば自力で優勝を決めることができた。しかし、結果は0-1の敗戦。鹿島に勝利した広島に抜かれて、タイトルを逃した。

 自力と他力の違いはあるし、節も違う。ただ、横浜にとって等々力が再び、優勝のかかる一戦の舞台になったのは事実。対戦相手の川崎が、翌シーズンのACL出場をかけて横浜戦に臨む状況も似ているが、当時の忌々しい過去を消し去るような勝利を得られるか。

 今節の川崎戦で引き分けや負けでも、優勝の可能性が消滅するわけではない。そもそも、FC東京の浦和戦の結果が引き分け以上なら、川崎に勝っても"決着"はつけられない。

 優勝決定は最終節に持ち越されることになるが、今季のラストマッチはホームでのFC東京戦だ。白熱必至の直接対決を制して優勝というシチュエーションも痺れるが、そんな大一番に勢いを持って挑む意味でも、川崎戦では白星を掴んでおきたい。
 
 前回対戦は、終了間際に追いついて2-2のドロー。1-2で迎えた90+5分、CKから豪快なヘッドでネットを揺らし、貴重な勝点1をもたらした扇原貴宏が、激しいバトルが予想される「神奈川ダービー」に向けて気合いを入れる。

「あの時(前回対戦)は、自分たちは(主導権を)握られたりとか、まだまだだった。ギリギリで追いつく形だったし。今度は自分たちが主導権を握って、しっかりと勝って、優勝に相応しいチームであることを証明したい」

 自慢の『アタッキング・フットボール』で連覇中のディフェンディングチャンピオンをねじ伏せて、悲願のリーグ制覇へと突き進みたい。

取材・文●広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)

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