【三浦泰年の情熱地泰】ブラジルでも話題の52歳カズのJ1昇格!サッカー人として、弟として誇りに思う

2019年11月28日 サッカーダイジェストWeb編集部

フラメンゴの二冠に沸くブラジルだが、サンパウロの移民日系人は横浜FCの昇格に歓喜!

52歳で迎えた2019シーズンでJ1昇格を決めたカズ。その知らせに遠くブラジルの日系人も歓喜しているという。写真:滝川敏之

 ブラジル国内はフラメンゴで盛り上がっている。

 1981年のトヨタカップ優勝以来の南米制覇、リベルタドーレス優勝らしい。

 フラメンゴは国内で一番サポーターが多いビッグクラブ。リオデジャネイロのクラブでありながらサンパウロにもサポーターは多い。

 今回の優勝への反応は、さすがブラジルと思う。TVも何度もリバプレートとの試合をリプレーし、街の歓喜の映像が流れる。

 1981年、僕は静岡から国立競技場にトヨタカップ、フラメンゴ-リバプールの試合を静岡から見に東京へ行ったのを思い出す。

 まだ学生で新幹線を使わずに東海道線を使い、夜中に静岡を出て朝方東京に着き、国立競技場までチームメイトと本場ブラジルとヨーロッパ・チャンピオンの試合を観戦。

 帰りに原宿の加茂スポーツに寄って、さっきやっていた試合が店内のTVでビデオが流れているのに驚いた時代だ。さらにその後、竹の子族のダンスを見たのは、もう38年前の話なのだ……。

 今回はカタールで開催されるクラブワールドカップ。フラメンゴは現行のクラブワールドカップになってからは初出場となる。

 相手はリバプール。楽しみな因縁対決と言っても良いのであろう。

 そしてリベルタドーレス杯の翌日、ブラジル国内でもフラメンゴの歴史に新たな1ページが加わった。国内リーグのブラジレイロ・セリエAでフラメンゴの優勝が決まったのだ。

 要するに、土曜日にリベルタドーレス優勝。日曜日にブラジレイロ優勝。日曜日に行なわれたパルメイラス-グレミオで、ホームのパルメイラスがグレミオに負けてフラメンゴの今シーズン優勝が決まった。

 2日間で2つのタイトルを獲得したフラメンゴには、歴史的な年になったのであろう。

 チームもまとまりがあるように見えるし、良いサッカーをやっている。決勝のリーベルプレート戦はゲームこそ掴まれていたが、フラメンゴらしさを出しながら残り数分で逆転勝ちを収めた。

 フラメンゴは年末も僕らを楽しませてくれると信じている。

 そして、ブラジル国内がフラメンゴで盛り上がっている時に日本からも良い知らせがサンパウロに入って来た!

 それは弟カズの所属する横浜FCのJ1昇格だ! 昨年、僕が率いた鹿児島が昇格を決め、弟の横浜FCも昇格寸前でありながら、プレーオフではラストプレーで敗れたのを思い出した。

 横浜FCはその辛さ、苦しみを乗り越えての昇格。簡単な努力ではない。そこに1歳しか違わない歳のカズがピッチに立っていた。涙が出そうになる出来事である。

 ブラジルには世界一の日系人社会がある。サンパウロには120万人もの日系人がいる。その中にカズと横浜FCの結果を気にして、必ず連絡をくれる日系人がいる。

 長年お世話になっている方だ。その方は横浜FCの昇格が近づく度にメッセージをくれるのだが、ついに残りあと1試合になった時には、「次は2-0で勝ち、大宮は引き分ける」と言っていた。予想が見事に的中した。

 フラメンゴが国内を騒がせ、ブラジル人が大騒ぎをした日、サンパウロの移民日系人は横浜FC、カズの昇格に歓喜していたのである。
 

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