中村俊輔が横浜FCで感じた”恐怖”「J3か引退か」

2019年11月25日 渡邊裕樹(サッカーダイジェストWeb編集部)

今夏ジュビロ磐田から移籍してきた中村俊輔

今季J2で10試合に出場し1得点を挙げている中村俊輔。J1昇格は「経験出来て良かった」と語る。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

 11月24日に、J2リーグの最終節となる42節が開催された。ニッパツ三ツ沢球技場で行なわれた横浜FCと愛媛FCの一戦は、2-0で横浜FCが勝利を収めた。この結果J2リーグで2位が確定し、13年ぶりのJ1昇格が決定した。

 今夏ジュビロ磐田から移籍し、この日先発出場した中村俊輔は試合後にこう語った。

「41(歳)までやっていると、こういうこともある。ジュビロにいたときのこともあるし、(移籍やポジションの変更は)全部自分で決めたから、努力して突き進んで、こういう経験ができたのも、自分1人ではないので、そういうことに感謝です。

 初めてJ2ってものに来た。カテゴリーを落としたと認めたことだから、そこの葛藤がまずあった。その後に、なかなか試合に出られず、ベンチ外。だからもう、J3か引退かしかないという危機感、というか恐怖を味わったから、また長くやってて良かったなと」

 試合に勝てば昇格という状況以上にプレッシャーを感じていたものがあるという。
「今日は(プレッシャーを感じていた)というか毎試合かな。1回でもミスったら、ボランチはいっぱいいるから。そっちのプレッシャーの方が大きくて、J1に上がるっていうのを上回るプレッシャーだった。

 ベンチ外になって吹っ切れて、ここのサッカーに合わせようと、ボランチにはボランチの動きがあって、下さん(下平監督)が求めていることと、もともと自分のトップ下の感覚と織り交ぜたら、ベンチ外の練習でだんだんフィットしてきて。それも見てるんだよ(下平監督が)。ベンチ外だったけど"できる"っていう感覚があったから、ヴェルディ戦ではまって、うまく来た。こういう経験ができたのも大きいと思います。選手としてもそうだけど、今後も」

 来季についてはこう語った。

「あんまり考えても、強化部がどんな選手を取ってきてどんなサッカーがしたい、というのがあるから。若くて良い選手が来て、外国人も来たら、俺だってボランチで出られなくなるかもしれないし。そもそも俺、半年契約だから。いるかどうかもまだ分からない。下さんのスタイルで上がったから、そのスタイルでやり続ければいいと思う。それプラス、J1のスピードに上げていけばいい。

(現役に)こだわるというか、足首がもてば。やれれば、おもしろいこともある。誰に言われたか忘れたけど、監督はいつからでもできるかもと。指導者向いていないのかな、というのもあるかもしれないけど、それは早く気がつくようにしたい。でもトライはしたい」

 41歳にして新境地を切り開いたという中村俊輔。来季J1でより"フィット"した姿が観られるか。今後の動向に注目したい。

【横浜FC PHOTO】13シーズンぶりのJ1昇格でカズも唄う!笑顔&喜びの感動ギャラリー!

取材・文●渡邊裕樹(サッカーダイジェストWeb編集部)
みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事