【横浜】決定機を生み出すマルコス・ジュニオールの頭脳的なポジショニングに注目だ

2019年11月03日 広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

相手のCBは前に出られず、ボランチも下がれない絶妙な位置取り

鳥栖戦ではノーゴールに終わったマルコスだが、その戦略的なポジショニングで遠藤の先制点の起点となった。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

[J1リーグ第30節]鳥栖1-2横浜/11月2日/駅スタ

 ポジショニングで意識していたのは、「ボランチの横とか、その裏側」だった。

 横浜のトップ下、マルコス・ジュニオールは、2-1で勝利した鳥栖戦では、相手の最終ラインと中盤の間にできたスペースになるべく位置取るようにして、ボールを受けようとしていた。

 その時、マルコスはほぼフリーの状態。鳥栖側からしても、そこまでマークしきれなかったはずだ。CBが前に出れば、最終ラインに"穴"ができてしまう。ボランチが下がれば、相手のボランチやCBが攻め上がるスペースを与えることになる。マルコスがスタンバイしていたのは、そんな絶妙な場所だった。

「1点目も、ちょうど(相手ボランチの)裏で受けて、そこからサイドに出してクロス、という形でしたよね」(マルコス)

 センターライン付近で、扇原貴宏からのフィードを受ける。鳥栖の中盤4枚の背後、4バックの前。狙いどおりの位置でマイボールにしたマルコスはすぐに前を向き、左SBのティーラトンが攻め上がるための時間を作り、パスを出す。ティーラトンがダイレクトでクロスを上げられるような丁寧なパスだった。そしてティーラトンのクロスに、逆サイドから飛び込んできた遠藤渓太がボレーで合わせて先制点を叩き込んだ。

「常に首を振って周りを見て、相手がいないところでなるべくパスを受けるようにはしている。いろいろと動きをつけているけど、自分が動くことによって、(ダブルボランチの)タカ(扇原)や喜田(拓也)、ティーラトンとか、後ろからもうひとり入ってこられるように、スペースを空ける動きも意識している」(マルコス)

 ボールを足もとに収めた時だけが"見せ場"ではない。自らが起点となるためだけでなく、チームメイトを活かすようなマルコスのポジショニングに注目だ。

取材・文●広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)

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