「試合中に10秒だけ泣いた」「息ができなかった」マルセロが衝撃の告白!リバプールとのCL決勝を回顧し…

2019年11月01日 サッカーダイジェストWeb編集部

「食事もとれず、夜も眠れなかった」

マドリーの重鎮マルセロが一昨シーズンのCL決勝を回顧した。(C)Getty Images

 超一流のサッカー選手であっても、生身の人間であることに変わりはない。大舞台になれば、重圧に押しつぶされそうになることもある。

 レアル・マドリーのマルセロが『Players' Tribune』に手記を投稿し、リバプールを下して3連覇を遂げた2017‐2018シーズンのチャンピオンズ・リーグ(CL)決勝で、かつてないプレッシャーを感じたと明かした。

 試合直前のロッカールームで「息ができなかった。パニックにならないようにしていた」というマルセロは、前夜から試合のことだけを考え、食事もとれず、夜も眠れなかったと記している。

「サッカーにおいて、少しナーバスになるのは普通のことだ。ファイナルの前に不安を感じないなんて、人間じゃない。でも、リバプール戦の前はプレッシャーが最大級だった。不思議に思うんじゃないかな。僕らは連覇していて、みんながリバプールの優勝を望んでいた。(負けて)何が問題なんだ?」

「歴史をつくるチャンスを手にしていると、その重みを感じるものだ。あれほど激しく不安を感じたことはなかった。何が起きているか分からず、医者を呼ぶことも考えたほどだよ。でも、医者から出場を禁じられるのが心配だった」

 それだけの重圧を感じながらも、ブラジル代表DFは「100パーセント出場しなければならなかった」として、こう続けた。

「自分には証明しなければいけないことがあった」

 マルセロの心に火をつけたのは、試合の数日前にマドリーOBがテレビで口にした言葉だった。
 
「モハメド・サラーのポスターを買い、壁に貼って毎晩それに向かって祈るべきだ」

 マルセロは「マドリーで12年を過ごし、チャンピオンズ・リーグで3回優勝した僕に、テレビでの放送でそんな敬意を欠くコメントをしたんだ」と振り返っている。

「あの発言は僕を意気消沈させるはずだった。でも、逆にモチベーションを与えてくれたんだ」

 ピッチに出てからも、息が詰まる思いは変わらなかったそうだ。だが、マルセロは「ここで死ななきゃいけないなら、死んでやると思った」という。

「ウォームアップに向かっても落ち着かなかった。でも、キックオフに向けて整列し、センターサークルのボールを見て、すべてが変わったんだ。胸のつかえがとれ、落ち着くことができた。もうボールしか存在しなかった」
 

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