大迫問題の解決策は「人を変えるか、形を変えるか」。モンゴル戦は鎌田大地を1トップに抜擢か?

2019年10月10日 元川悦子

3月のコロンビア戦では鎌田が1トップでまずまずのパフォーマンスを発揮

3月のキリンチャレンジカップでは1トップを務めた鎌田。大迫不在の今回、再び同じポジションでの起用となるか?写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

 2022年カタール・ワールドカップ2次予選の2戦目となるモンゴル戦が今日10日、埼玉スタジアムで行なわれる。9月のミャンマー戦(ヤンゴン)に続く連勝が求められる日本だが、今回は絶対的1トップの大迫勇也(ブレーメン)の穴埋め問題という大きな懸案事項に直面している。森保一監督は前日会見で「まずはベースを確認しながら、試せるところは試したい」と言葉を濁したが、今、やれることは「人を変えるか、形を変えるか」の2つに1つ。そのいずれかを考えるしかない。

 まず、前者の「人を変える」の場合、慣れ親しんだ4-2-3-1布陣で戦えるので、大半の選手たちはスムーズに入れる。特に守備陣にとってはメリットが大きいだろう。ただ、攻撃陣の方は、ターゲットマンとフィニッシャーという大迫が1人でこなしていた仕事を新たな1トップが遂行することが絶対条件になる。でなければ、2列目アタッカー陣の推進力と連動性が出にくくなるからだ。

 永井謙佑(FC東京)、浅野拓磨(パルチザン)、鎌田大地(フランクフルト)、南野拓実(ザルツブルク)という今回の候補者の顔ぶれを見ると、最も可能性の高い人間は鎌田ということになる。3月のコロンビア(日産)とボリビア戦(神戸)で1トップに入った時も、敵を背負って起点になる仕事に短時間で適応していた。その経験値は大きなアドバンテージと言っていい。

「この前代表に入った時も(最前線で)プレーしているし、みんなの特徴も分かっている。相手のレベルもそこまで高いわけじゃないし、僕たちがボールを支配できるので、そこまで難しくはないかなと思います」と本人も自信を覗かせた。今季フランクフルトでは2列目に入っているが、屈強なDFと日常的に対峙していて、球際や寄せの部分もアジアレベルならまったく問題ないはず。大迫不在の穴を最小限にとどめると同時に、彼らしい創造性を発揮してくれるという期待は大きい。
 
 コロンビア戦で10分程度、1トップに入った南野も鎌田同等のターゲット役はこなせる選手。ただ、彼を前に上げて、トップ下に久保建英(マジョルカ)ら他の人間を入れる形だと2列目のバランスが微妙に変化する。欧州CLのリバプール戦で1得点・1アシストという圧巻パフォーマンスを見せた南野は今の森保ジャパンの肝であり、彼をトップ下から動かしたくないという指揮官の思惑もあるだろう。

 一方で、スピード系の永井と浅野はボールを収めて動くタイプではないから「ポスト・大迫」を要求しようとしても難しい。やはり「人を変える」の解決策は、鎌田がベストチョイスと見ていいのではないか。
 

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