【岩政大樹】攻めながら守り、守りながら攻める――サッカーの肝を押さえた森保ジャパンはチーム、選手ともに成熟してきた

2019年09月11日 岩政大樹

前半は予選の初戦としては最高と言っていい結果、内容とすることができました。

16分に待望の先制点をあげた日本の新10番、中島翔哉。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

 2022年のカタール・ワールドカップに向けた長い道のりのスタートを森保ジャパンは2-0で危なげなく勝利。レベルの違いを見せつけました。

 ミャンマー代表はいつもの戦い方からシフトチェンジして日本に対してきました。基本システムは4-2−3-1ですが、この日は4−3−3にした上で、サイドハーフにも守備的で頑張れる選手を配置。6-3-1のような形で「守り倒すぞ」という決意で挑んできました。

 それに対し、日本代表はあえて少しラフなボールから試合を始めました。丁寧につなぐのではなく、長めのボールをミャンマーのゴール前に送り込むことを多用して試合に入ったため、立ち上がりの時間帯にミャンマー代表をばたつかせることができました。
 
 10分を過ぎたあたりからは徐々にバリエーションを増やして攻め込み始め、16分には待望の先制点。日本の新10番が存在感を改めて誇示しました。

 26分には南野選手が追加点。今や彼お得意のプレーとなった相手の背中から走り込む動き出しで完全にフリーになってからの1タッチゴール。継続してゴールを取るための動き出しを決してやめない選手に、いよいよ成長を遂げてきました。

 前半半ば頃からは相手の配置を見て、柴崎選手と堂安選手を中心に右サイドの攻撃を増やしていきました。ミャンマー代表の3ボランチの左に位置した9番はミャンマーのエースですが、元々トップ下でプレーする選手。守備の強度や戻りが甘いと見るや、そこを執拗に突いていった見極めも的確だったと思います。

 果たして、前半は予選の初戦としては最高と言っていい結果、内容とすることができました。

次ページ選手たちの頭を覗くとおそらくそれぞれに反省があるはず

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