アルバニア国歌と国名を間違える赤っ恥! フランス代表戦での“事件”はなぜ起きた?【現地発】

2019年09月09日 結城麻里

誤った国歌が流れた原因は?

威勢よく自国の国歌を歌うフランスの選手たち。だが、この直前に大きな話題をさらう事件が起きていた。(C) Getty Images

「今朝、世界一周して歴史に残るのは、フランス代表のパフォーマンスではなく、国歌斉唱時に起きてしまった混乱のほうかもしれない」

 現地時間9月8日付の全国紙『L’EQUIPE』は、そう危惧した。前日に行なわれたEURO2020予選のフランス対アルバニアの一戦で、まさかの出来事が起きたからだ。

 あり得ない"事件"が起きたのは、試合開始直前のことだった。いつものように両チームが一列に並び、まず、アウェーチームであるアルバニアの国歌が流れた。

 しかし、選手たちはまったく口を動かさず、いぶかし気な表情を浮かべている。そして、アルバニア・サポーターが陣取ったスタンドから不満を示す口笛が飛び出した。これには、「どうして自国の国歌に口笛を鳴らすんだ?」(L’EQUIPE)の疑問が会場に漂った。

 次いでフランス国歌の「ラ・マルセイエーズ」が威勢よく流れ、スタッド・ド・フランスの大観衆が唱和。ところがその後、アルバニア選手たちは、ガンとして一歩も動かず、キックオフに向かおうとしないのだ。

 その数分後、ようやく事態が明らかになる。なんとアルバニア国歌の代わりに、アンドラの国歌が流れてしまっていたのである。

 これを受け、アルバニアの選手たちは、「『自分たちの国歌を聞くまではプレーするな!』と選手たちに言った」というエドアルド・レヤ監督の指示もあって、先述のような抗議に打って出たわけだ。

 いったいなにが起きてこうなったのか? 原因はひとつのクリックミスにあった。

 フランス・サッカー連盟のコンピューターには、このアルバニア戦と3日後に予定されていたアンドラの両国歌が用意されていた。どちらも頭文字が「A」で始まるせいもあったのだろうか、担当者が誤って後者の国歌がスタジアム中に響き渡ったというのだ。

 やっと正しい国歌が流れたのは、フランス国歌が流れてから数分後のこと。これには、フランス人の観衆たちも大きく拍手をし、試合開始のホイッスルは、当初の予定から遅れること7分後にようやく吹かれた。

次ページ騒動は国歌の間違えだけにとどまらず…

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