「本当はスパーズに残りたかった…」イングランド代表DFが胸中を激白! 明かされた電撃移籍の真相

2019年09月04日 サッカーダイジェストWeb編集部

ポチェティーノ監督に真意を問いただしたが──

新天地アトレティコで充実した日々を送るトリッピアー。イングランド代表にも復帰した。(C)Getty Images

 9月2日にクローズされた今夏の欧州移籍市場において、ひとつのサプライズとして受け止められたのが、イングランド代表DFキーラン・トリッピアーの退団劇だろう。
 
 2018年のロシア・ワールドカップでも活躍した右SBの名手は、この夏に2000万ポンド(約26億円)でトッテナム・ホットスパーからアトレティコ・マドリーへ電撃移籍。契約期間を2年残しての旅立ちとなったが、どうやらトリッピアー本人にとっては当初から望んだ結末ではなかったようだ。
 
 英紙『Mirror』や『The Sun』などが一斉にその"声"を伝えている。トリッピアーは「昨シーズンの終わり頃から僕を売りに出すという噂が耳に入ってきた。とても納得できなかったけど、結果的にそれは起こったんだ。フットボールでは避けられないことだね」と切り出し、移籍に至るまでの心の揺れを語り明かした。
 
「複数のひとからいろんな話を聞いてね。妻や兄貴にどうすべきかを相談して、プレシーズンには思い切って監督(マウリシオ・ポチェティーノ)に尋ねたんだ。僕は必要な戦力なのかどうかを。すると彼ははっきりイエスともノーとも答えてくれなかった。だから次は、会長(ダニエル・レビー)のところへ行ったんだ。監督は明確な答をくれなかった、あなたはどう思いますか、と問いかけた。でも彼からも、前向きな言葉がもらえなくてね」
 
 トリッピアーは2015年夏にバーンリーからトッテナムへステップアップ移籍を果たした。加入2年目から頭角を現わし、ポチェティーノ政権下で進化を続けたチームにあって、重要なタレントのひとりであり続けた。だが昨シーズン後半、ちょっとしたスランプに陥ってしまう。トリッピアー自身もこの点については自覚していたと振り返る。
 
「前半戦はなんだかんだで調子が良かったんだけど、クリスマスを境にすべてが変わった。まるで交通事故のようなものだね。一度バーンとぶつかっておかしくなると、すべての歯車が狂ってしまうものなんだ」

 
 シーズン終盤は怪我もあったとはいえ、ベンチ外の憂き目に遭うなど、"予兆"は感じていたという。
 
「トップのふたりから必要とされていないと感じて、疑いが深まっていった。失望したよ。僕はスパーズにすべてを捧げて戦ってきたつもりだし、まだ契約も数年あったから、本当は残りたかったから……。でも、これがフットボールさ。監督のことも会長のことも恨んではいない。いまでも尊敬しているよ」

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