チームメイトが語る“天才MF加入効果”。『小野伸二じゃん!』と緊張の対面から、ごく自然にチームの一員に

2019年08月31日 多田哲平(サッカーダイジェスト)

ごく自然にチームの一員になっていた

小野(左)の存在に刺激を受ける田中(右)。琉球は稀代の司令塔を中心に変わろうとしている。写真:徳原隆元

 小野伸二の加入効果は、早くも至るところで表われている。
 
 8月30日のトレーニングで小野は、リフティングやパスゲーム、シュート練習などで汗を流していた。鮮やかなボールタッチでパスをつなげる技術はもとより、驚かされたのは合流からわずか2週間ほどでチームに溶け込む順応性だ。誰よりも声を張り上げ、雰囲気を盛り立てる姿は、すでにチームの中心であることを印象付けた。
 
 新加入とは思えないくらいに別格の存在感を示している小野にチームメイトも驚愕と称賛の声を挙げている。凄みを語るのは、観察眼に定評のある田中恵太だ。
 
「技術的なレベルも凄く高いし、見えている範囲が広いっていうプレー面はもちろんですけど、"トップ・オブ・トップ"でやってきた人だから、人としても、サッカー選手としても本当に素晴らしいです。それなのに、僕らと同じ目線で喋るんですよ。上から目線で何かを言うことはまったくない。だから、すぐチームに馴染んでくれていますよ。あれ、何年も前からいたのかなってくらいです。普通あれだけの人が入れば、チームは気を遣う雰囲気になると思うんですけど、全然そんなことない。そういう人間性の魅力を感じています」
 
 田中はさらに、練習初日から、小野の人間性に驚かされたことを明かしてくれた。
 
「人として本当に凄いんですよ。ビックリしていますよ。初めはもちろん『いやいや、小野伸二じゃん!』みたいな感じでした。でも初日に『俺たちはみんなファミリーだから』って挨拶をしてくれて、それから、ごく自然にチームの一員になっていた……。自分から率先して声を出したりとか、とにかくフランクなんです」
 
 そんなピッチ内外で働く大ベテランの姿を見て、田中自身ももちろん小さくない刺激を受けている。技術だけでなくモチベーションの面でも、だ。
 
「小さい時から見ていた選手ですし、ボールタッチとか見えている範囲はすごく勉強になります。僕は受け手なので、たくさんアシストしてもらいたいです」
 

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