【江坂任×瀬川祐輔|対談】群馬→大宮→柏。“激似”のキャリアの陰には知られざるエピソードも!?

2019年08月14日 志水麗鑑(サッカーダイジェスト)

「さすがに柏に移籍する時は…」(瀬川)

8月8日発売号のサッカーダイジェストで、江坂(右)と瀬川(左)が対談に応じてくれた。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

 現在J2で首位を走る柏を牽引しているのが、江坂任と瀬川祐輔だ。前者は7ゴール、後者は5ゴールを決め、好調を維持している。そんなふたりは、プロキャリアが群馬→大宮→柏と"激似"。先日、対談を行ない、互いにどう思っているのか聞いてみた。
 
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――ふたりの対談は初めて?
瀬川 初めてです。
江坂 そうですね。

――2年前の大宮時代からチームメイトなのに、意外です。
瀬川 継続して一緒に試合に出ることが少なかったからだと思います。特に大宮時代は俺が16試合しか出られなかった。

――互いを知ったのは?
江坂 俺が群馬から大宮に移籍した16年。群馬で俺が背負っていた26番を瀬川がそのあとに着けたので。
瀬川 俺もその年です。群馬に入団して26番をもらい、前に着けていた人が任くんだと知りました。

――それぞれ大学卒業後に群馬に入団した理由は?
江坂 理由と言うより、選択肢は群馬しかありませんでした(笑)。
瀬川 僕も群馬だけでした(笑)。

――ふたりともルーキーイヤーに42試合で13得点という同じ成績を残したのも興味深い。
江坂 瀬川が開幕戦でいきなり2ゴールを決めた時は焦りましたね。俺の13得点を超えられてしまうと。
瀬川 でも、そこから15試合ノーゴールだった。その時期は任くんのゴール集を毎日見ていたんですよ。任くんは(群馬で)活躍して(当時)J1の大宮に移籍したわけだから、同じ道を目指したいと思って。だから、任くんのゴールは全部覚えている。
江坂 嬉しいけど、俺としては『江坂を超えた!!』みたいに話題にされたくないから、『超えんなよ』と思っていた(笑)。
瀬川 俺は任くんの13得点を超えようと必死だった。
江坂 そういえば、瀬川が群馬でプレーしていた時に一度だけ試合を見に行ったんですけど……。
瀬川 それは言わなくていいって。
江坂 シーズン中に1試合だけですよ。なのに、その試合で……。
瀬川 いや言わなくていいだろーー。
江坂 瀬川がPKを外したんです(笑)。
瀬川 他の人が獲得したPK、しかもど真ん中に蹴って止められた(笑)。忘れもしない、ホームの町田戦(16年J2・21節)。
江坂 それを決めていたら、俺の13得点を超えていたのに。
瀬川 でも、PKなしで13得点だから俺のほうが上じゃない(笑)? 任くんはPK何本?
江坂 1かな。
瀬川 でも、これしか主張できないなーー(笑)。
 
――結果的には群馬での活躍が評価され、17年に瀬川選手も大宮に移籍して、昨季は同じ年に柏に加入。キャリアが似ているのは偶然ですか?
江坂 俺のほうが決まるのは先なので、なんとも言えないです。むしろ瀬川が付いてきた。
瀬川 付いていったのは否定できないけど、さすがに柏に移籍する時は任くんにどう思われるか心配した(笑)。任くんは(大宮で)34試合・7得点という成績を残したからオファーが来て当然だけど、俺なんか2ゴールで出場率も分数で計算したら30㌫もいかなかったから(3060分中862分/28㌫)。
江坂 電話してきたよね? 『柏に入ることになりました』って。
瀬川 ちゃんと報告したほうがいいと思ったので。
江坂 でも、試合に出ていなくても柏からオファーされたのは、素直に凄いと思ったよ。
 
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 楽しそうに話す江坂と瀬川からは仲の良さが窺えた。「最近、一番よく喋っている」(瀬川)そうで、江坂は「昔からよく悩みを聞かされる」という。
 
「話していると、思っていることがだいたい一緒」の江坂と瀬川は、ピッチ上でのコンビネーションも絶妙だ。そんなふたりの連係に今後も注目したい。
 
取材・文●志水麗鑑(サッカーダイジェスト編集部)
 
※本記事は、サッカーダイジェスト8月22日号(8月8日発売)掲載の記事から一部抜粋・加筆修正したもの。
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