ボール支配率78パーセントも…。ポゼッションを極めるサンガはカウンターとどう付き合うべきか?

2019年08月11日 古沢侑大(サッカーダイジェスト編集部)

0-2から追いついたとはいえ…

右サイドバックとして出場した福岡。相手の出方を見ながら冷静に試合を分析した。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

 8月11日、J2の27節が行なわれ、京都サンガF.C.が栃木SCをホームに迎えた。 
 
 京都は就任1年目の中田一三監督の下、ポゼッションをベースに2位と躍進。この日もボール支配率78パーセントという数字が表わすように圧倒的に攻め続けるものの、21位の栃木に2点先行される苦しい展開。結果的には2点差を追いついて2-2のドローに持ち込んだとはいえ、昇格を見据えれば物足りなさも残った。
 
 まず、京都は栃木の田坂和昭監督に映像で徹底的に研究され、対策(システム変更)を練られていた。
 
「(相手が京都なので)押し込まれる時間は長いと予想していた。そこでどう戦うのかを考えた時に、システムを(5-3-2に)変えて臨みました」(田坂監督)
 
 京都は相手が前線からプレッシャーに来なければCBがドリブルで持ち運び、数的優位を相手陣内で作り出す。それを阻止しようと、栃木が前線に2枚のFWを並べてきたのだ。
 
 とはいえ右サイドバックでプレーした福岡慎平は「今日は相手が5-3-2の布陣で挑んできた。相手の中盤が3枚で、(僕たち)サイドバックは内側にポジションを取ってゲームを組み立てようとしました。ただ、中に入りすぎると(CBの)アンちゃん(安藤淳)からのパスコースが難しくなるので、状況を見ながらポジションを取っていました」と冷静に対処した。
 
 栃木の田坂監督に言わせれば「思うようにいかなかった。逆に相手にミスマッチを突かれていたので、前半の途中で(普段の5-4-1に)変えました」。
 
 だが、西谷和希と大黒将志のゴールで2点を先行したのは栃木。使い慣れたシステムに戻して役割ははっきりした。「現状ではそれ以外はなかなか攻撃の形ができない」(田坂監督)という苦肉の策だったが、カウンターがうまくハマったのだ。
 

次ページ今後の課題はカウンターを「未然に防げるか」

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