【山口】巻き返しの鍵を握るふたりの俊英。川井歩、宮代大聖が示す大きな可能性

2019年08月09日 上田真之介

川井は右ウイングバックとして成長

期待を集める川井(写真左)と宮代(写真右)。チームを押し上げられるか。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

 J1からJ2へ活躍の舞台を移した若手がどれだけ輝けるか――。リーグ後半戦に入ったJ2で浮揚を懸ける山口にとって(26節を終えて14位)、今季序盤にJ1の広島から期限付きで移籍してきた川井歩と、今夏に川崎からレンタルで山口へ加入した宮代大聖はキーマンと言える。
 
 川井は加入当初は左SBを務めたが、その後、トゥーロン国際大会に臨むU-22代表に選出され、同大会では3-4-3の右ウイングバックとしてプレー。チームの準優勝に貢献した。すると、川井が不在の間に、山口もU-22代表と同様の3-4-3へシステムを変更。川井は代表と同じ右ウイングバックを任されるようになった。
 
 川井は献身的なアップダウンをベースに、ボールを受け、ディフェンスに走るウイングバックとしての基本能力を高く備える。ただ、霜田正浩監督は「本人が気づいていない良さがある。得意じゃないと彼が思っているだけで、僕は思っていない。そういうことに今はチャレンジしてくれている」とさらなる進化を促す。
 
 その具体的なプレーのひとつがボールを引き出すための動きだ。「あのポジションをやる選手は足もとで受けようと思えば簡単に受けられるが、相手の裏で受けることがどれだけ大変か。それを優先順位の一番にしてほしい」と指揮官は説明する。
 
 山口が連敗を止めた25節の水戸戦。川井は霜田監督が求めるように相手の最終ラインと駆け引きし、背後で菊池流帆からのフィードを受け、決勝点をアシスト。川井にとっては手応えを得るシーンとなった。
 
「アシストでも結果が欲しいと思っていたので、まずアシストが残せたのは良かった。霜さん(霜田監督)からはウイングバックは裏でという意識が大事という話がある。プレースタイルとして足もとでというのもあるので、裏を取ったり、受けて作ったり、考えながらやっていきたい。結果を残すことにこだわって、もっともっとチャンスに絡んでいかないといけない」と本人も話す。
 

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