【セルジオ越後】メッシもスアレスもいない…真剣味に欠ける“調整試合”をプレ大会にしてみては?

2019年08月07日 サッカーダイジェスト編集部

単なる調整試合にならないアイデアが必要

神戸とバルセロナの対戦も、調整試合の感は否めなかった。少しでも強度を上げるためのアイデアが必要だ。(C)山崎賢人(サッカーダイジェスト写真部)

 夏の恒例行事になってきた海外クラブとの親善試合。今年はフロンターレがチェルシーと、マリノスがマンチェスター・シティと、ヴィッセルがバルセロナと対戦した。
 
 海外のビッグクラブが日本にやってくるのは、興行的にも素晴らしいし、日本の選手にとっても、ワールドクラスの一流プレーヤーの凄さを肌で感じられる貴重な経験になる。けれど、そんなイベントも改善の余地はたくさんあるよ。
 
 新シーズンが始動したばかりの欧州クラブにとって、日本での試合は単なる調整の意味合いが強い。だから、どうしても真剣味には欠けてしまうし、ベストメンバーが集まらないという事態も起こり得る。
 
 ファンの立場からしても、高いチケットを買って会場に足を運んだのに、お目当てのスター選手が見られないのは、非常に残念だよね。とんだ肩透かしを食らった気分になってしまうのではないかな。
 
 実際にメッシやスアレスといった主力メンバー数人が来日しなかったバルセロナの試合後には、「チケット代を返せ」という声が、ちらほら聞こえて来たよ。
 
 そういった怒りの声が挙がらないように、単なる調整試合にならないアイデアが必要だ。例えば、複数チームを招待してひとつのプレ大会として開催するのはどうだろう。J1チャンピオンのフロンターレがチェルシーと戦った試合(Jリーグワールドチャレンジ)の、いわば豪華版だ。Jリーグが取り仕切って、楽天のような企業には協賛という形でスポンサーになってもらえばいいと思う。
 
 タイトルが懸かっていれば否が応でも競争力は高まるはずだ。なんてことのない親善試合よりも、ベストに近いメンバーが集まって、本気に近い欧州クラブと戦えるかもしれない。

 その際、Jリーグのシーズン前半の成績上位チームに出場権を与えるのは一案だ。楽天のつながりでバルセロナとの交流があるヴィッセルや、シティ・フットボール・グループと提携しているマリノスだから、この夏の国際試合が実現したけど、他のJクラブが完全に蚊帳の外になっているのはいかがなものかと思うよ。
 

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