【浦和】浮上のポイントは“最大の激戦区”ウイングバックの人選。例えば攻撃的にいくなら…

2019年08月05日 多田哲平(サッカーダイジェスト)

1番手は、2年間の欧州挑戦から帰ってきた関根貴大

ウイングバックの人材は多士済々。競争は熾烈を極める。(C)SOCCER DIGEST

[J1リーグ21節]浦和2-2名古屋/8月4日/埼玉スタジアム2002
 
 21節終了時点で8勝5分8敗の9位――優勝候補の一角として見られていた開幕前の期待を裏切り、明らかに伸び悩んでいる。そんな浦和レッズがここから浮上するためには何がポイントになるのか。
 
 そのひとつがウイングバックの人選かもしれない。
 
 3-4-2-1を採用する浦和の場合、ウイングバックは戦術上のひとつの肝になるポジションだ。サイドアタッカーのようにドリブルで持ち上がってクロスを供給すれば、時には中盤の位置からCFやシャドーへクサビのパスを入れ、起点にもなる。
 
 一方で守備では前後にプレスを仕掛け、リトリート時には最終ラインまで下がり、5バックを形成する。つまり攻守における負担が大きく、最も献身性と走力が求められるのである。
 
 浦和のウイングバックの人材は多士済々だ。特に今夏に関根貴大が加わったことで、チーム内競争における最大の激戦区となっている。
 

 1番手は、2年間の欧州挑戦から帰ってきた、その関根だろう。左ウイングバックで先発した、ここリーグ3試合のパフォーマンスは圧倒的だ。20節のジュビロ磐田戦でアシストを決めると、続く鹿島アントラーズ戦(16節の延期分)でも鋭く仕掛けて何度も決定機を演出。21節の名古屋グランパス戦では、極めつけにヘディングで劇的なゴールを奪っている。
 
 実際に関根が加入してからウイングバックを起点とした攻撃が増え、サイドアタックの迫力は各段に増している。それまで18試合でわずか15点(リーグで4番目に少ない数字)だったゴール数が、関根加入後の3試合で6点と飛躍的に伸びているのは偶然ではないだろう。
 
 他3人はほぼ横一線と見ていい。関根とともにスタメン出場を続ける橋岡大樹は、対人守備と空中戦の強さに信頼があり、西川からのフィードを競り勝って前線に送る貴重な役割もこなす。ただし攻撃面ではアイデア不足も露呈し、不用意なボールロストが少なくないのも事実。

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