「うわ、やりおったな」“盟友”の一撃に燃えたAZ菅原由勢がデビュー戦で鮮烈弾ゲット!【現地発】

2019年08月05日 中田徹

抜擢登用に奮い立ち、見事結果を叩き出した

リーグデビュー戦でがっちりサポーターのハートを掴んだ菅原。「点を決めたあとは……熱くやりました」と笑った。(C)Getty Images

 名古屋グランパスからAZアルクマールに移籍したばかりの菅原由勢が、オランダ・リーグのデビューマッチで初ゴールを記録した。
 
「初ゴール、運が良かったです。僕自身、ラッキーだったと思います」
 
 19歳の俊英はそう言って笑った。チームは4対0でフォルトゥナ・シッタルトを下した。
 
 AZの右サイドバックはノルウェー代表のヨナス・スベンソンがレギュラー格だが、コンディションを崩してしまい、戦線を離脱。へッケン(スウェーデン)とのヨーロッパリーグ予選2回戦第2レグ(3−0でAZが勝利。1勝1分けで3回戦進出)はギリシャ人のパンテリス・ハジディアコスが、今回のF・シッタルト戦では菅原が抜擢された。
 
 菅原は開始2分、ゴールライン際でスライディングしながらクロスを入れるなど、積極的な姿勢で試合に入ろうとしたが、「僕と(右ウイングを務める)ケルビン・ステングス選手のポジショニングが中途半端なところがあって、いまいち怖さが出せないと僕は感じていた」と、彼としては物足りなさの残る前半だったようだ。しかし、ポゼッション時には相手陣内深くのハーフスペースに位置取り、27分、MFトーマス・アウウェヤンに好スルーパスを送るなど、決して悪くない出来だった。

 
 後半に入ると、菅原はステングスとの距離感を改善し、ステングスがワイドに張ったらハーフスペースに、ステングスが中に絞ったらワイドに張るといったように、ポジショニングのメリハリをつけた。ステングスはU-21オランダ代表でジャスティン・クライファート(ASローマ)、ドニエル・マーレン(PSVアイントホーフェン)と強力3トップを形成するウインガーで、20歳ながらすでにAZでエースの座を掴んでいる。だからこそ、スティングスの個の特徴を活かすことを優先して、彼がどこにいるか、どのようなボールの持ち方をしているかを観察し、菅原はポジショニングや走り込む先を考えていたのだという。
 
「前半は(ステングスとの)コンビネーションが上手くいかない時間帯もありましたが、後半しっかり修正できたので、そこはポジティブな要素だと思います」

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