井手口陽介の復帰が決定的!! 気になる宇佐美の起用法、ガンバのスタメンはどうなる?

2019年08月04日 飯間 健

井手口の復帰で、選手起用にどんな変化起きるのか?

井手口陽介のガンバ大阪復帰が決定的になった。(C)SOCCER DIGEST

 今夏の移籍市場で主役を張るG大阪。当初は放出が目立ったが、ここに来て巻き返している。手薄になったウイングバックには川崎の鈴木雄斗を獲得。FWには広島から17年夏以来2年ぶりにパトリックが加わった。さらにイングランド2部リーズから井手口陽介が完全移籍することも決定的。宇佐美貴史も含めて、そうそうたる実力者がそろった。
 
 そのなかで行なわれた8月2日の神戸戦。宮本監督は従来の3-1-4-2システムでスタートさせ、後半開始からは4―4―2システムに変更した。7月20日の名古屋戦から手を加えたのは、加入直後のパトリックをスタメン抜擢したこと。そして名古屋戦では2トップの一角としてスタメン出場していた宇佐美をインサイドハーフで起用したことだった。
 
 パトリックはフランス1部ボルドーへ完全移籍したファン・ウィジョと同じように裏のスペースへ抜け出すことができ、クロスへの入り方に優れている。ファン・ウィジョほどの個の打開力はないが、その分は高さとパワーで補っている。得点にはつながらなかったが、神戸戦でも左右のクロスに対してポジションを取り、脅威になり続けた。FW陣は宇佐美を含めて、アデミウソンや食野亮太郎ら足下の技術に長けた選手が揃う。"異質"な特徴を持つブラジル人は、今後も必要不可欠な存在であることを示した。
 
 むしろ今後の起用法が気になるのは宇佐美だ。宮本恒靖監督は「すべてにおいてチームの攻撃の質を上げてもらいたい。前(FW)ならばゴール、アシスト。後ろ(インサイドハーフ)ならば前を生かしてほしい」と口にしている。若い頃は得意の左サイドやFWで攻撃に専念させてきたが、キャリアの絶頂期に差し掛かろうとする27歳にはピッチ全体をオーガナイズする役割を期待している。
 
 ただ神戸戦では暑さの影響もあり、その役目を全うできたかと言われれば判断が難しい。2点目の起点になったようにオン・ザ・ボールでの上手さは見せても、走行距離10㌔にも満たない9キロ339メートルは物足りない。後半からサイドMF、FWとへポジションを変更した影響はあるだろう。決して走っているから機能しているというわけではないが、今後も猛暑のなかでの戦いが続くだけに宇佐美の置きどころは指揮官を悩ませるかもしれない。
 
 最後に井手口に触れたい。豊富な運動量と抜群のボール奪取能力を誇るダイナモは、現行の3バックシステムならばインサイドハーフで起用される可能性が高い。そうなれば宇佐美は2トップで固定できるかもしれないし、練習で試していたように倉田秋をウイングバックに回すこともできるだろう。最適性ポジションがダブルボランチであることを考えれば、今後はより攻撃的な4―4―2システムをベースに据える選択肢も生まれそうだ。

 少数精鋭な補強ながら戦術や人選、配置の幅は拡がった。あとは"好素材"を使って、宮本監督がどう"料理"するのか、である。


取材・文●飯間 健
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