完封勝利で初戦を突破した青森山田。勝負強さの秘密には毎試合目標に掲げる“ゼロ失点”があった

2019年07月27日 手塚集斗(サッカーダイジェストWeb編集部)

「失点はゼロで絶対にいく」青森山田の粘り強い守備を象徴する共通理解

青森山田は初戦で奪われたら全力で取り返しにいく姿勢が70分間フルタイムで見てとれた。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

[インターハイ1回戦]青森山田2-0前橋育英/7月26日/金武町フットボールセンター (ローン)
 
 青森山田には毎試合の目標に掲げていることがある。それは"ゼロ失点"で勝つということだ。
 
 インターハイ初戦、前橋育英との戦いでも当然、選手全員がそのひとつの目標に向かって走り抜き、無失点を達成している。相手のダブルボランチを起点とした素早いパス回しから、何度も危ない場面作られたが、粘り強い守備で最後まで得点を与えなかった。黒田剛監督もそこが自分たちのストロングポイントだと語る。
 
「うちはやっぱり守備の粘り強さだとか、その我々の手法っていうものをうまく確立させながら、プレミアでも戦ってきたっていう部分は全く変える必要はない。プリンスでは前橋育英も多少失点があったので、必ず点数は取れると。1回か2回かもしれないけど、だからこそ失点はゼロで絶対にいく、ということをしっかりとやらなければいけない」
 
 目標をクリアするうえで、やはり試合開始わずか2分で先制して、試合を有利に進められたことは大きかった。その得点を決めたMF後藤健太も共通理解について話す。
 
「自分たちは"ゼロ失点"というのを毎試合掲げてやっているので、とにかく先制点をとってもちろん追加点は狙っていくんですけど、そのなかでゴールを許さないっていうのはチームで徹底しています」
 
 ただ、守備にハードワークするためには、強い精神力が必要だ。ましてや炎天下の沖縄が舞台の今大会はなおさらだが、前橋育英を相手に最終ラインから前線まで全ての選手が奪われたらすぐに全力で取り返しにいく姿勢が70分間フルタイムで見てとれた。
 
「多少コンディション的にも相当きつくなったり、自分のなかでさぼりたいとか、走りたくないとかいう状況も出てくるとは思うけど、その気持ちを一回のみ込んで、また出てきたものをもう一回飲み込む覚悟をしてほしい。サプリメントやアイシング、マッサージの効果もあって、足がつるやつが少なかったのは良かった。夏はそういったこととの闘いもあるので、そういう意味ではゼロで行けたのは良かったのかなと思います」
 
 黒田監督が話すように、キツイと感じたときにもう一度頑張れるメンタルを全員が共通で持っていることが、このチームの勝負強さの秘密なのだ。県予選では無失点で勝ち上がり、優勝した青森山田。勢いそのままに、インターハイ本大会の無失点制覇も夢ではない。
 
取材・文●手塚集斗(サッカーダイジェストWeb編集部)

【インターハイ2019 PHOTO】青森山田2-0前橋育英|1回戦からビッグゲーム!強豪校同士の戦いは青森山田が勝利し大津の待つ2回戦へ!
みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事