白崎凌兵が鹿島で覚醒!チームトップの5得点だけじゃない万能MFの存在価値

2019年07月26日 岡島智哉

「皆さんが思っている以上に貢献してくれている」と大岩監督も賛辞を惜しまない

20節の鳥栖戦でキャリアハイとなるシーズン5得点目を決めた白崎(41番)。守備でも汗をかくハードワーカーは、もはや鹿島に欠かせぬ存在だ。(C)SOCCER DIGEST

「11試合・5得点」。サイドハーフの選手の数字だ。1試合消化が少ないながら、リーグ2位の54得点を誇る鹿島のトップスコアラーは、清水エスパルスから今季加入したMF白崎凌兵である。
 
 7月20日のサガン鳥栖戦の決勝点も白崎だった。1対1で迎えた35分。右サイドを突破したレアンドロが中央へクロス。鳥栖のMF原輝綺はパスコースに身体を入れ、手で白崎を押さえていたが、白崎はうまく足を出した。「(ボールが)見えなかった……」(白崎)という状況でも右足のアウトサイドでボールを捉え、ネットをパサリと揺らした。
 
 ここまでのJ1でのキャリアハイは、2017年の3得点(24試合)。今季は開幕から怪我で出遅れたが、20節を終えた段階で自己最多のゴール数を挙げている。大岩剛監督も「献身的な守備の部分に関しては、皆さんが思っている以上に貢献してくれているかと思います。彼とは個人的な話の中で『得点にこだわれ』と伝えている。実際に数字にも表れています。彼の持っている運動量で、いるべきところにいる。そういうところでも貢献してくれている」と賛辞を惜しまない。
 

 白崎は清水時代の鹿島との対戦を振り返り、「鹿島はクロスに対して逆サイドの選手が飛び込む場面があまり多くない印象があった」と語る。だから、飛び込む。19節の仙台戦も、今回の鳥栖戦も、右からのクロスをファーサイドで捉えた形だった。
 
 しかし、鹿島のサイドハーフは他チームに比べ守備のタスクが多い。守備の決まり事を徹底すればするほど、ゴール前に飛び込めない状況になってしまう。運動量が持たないからだ。現に、鹿島のサイドハーフがフル出場することは少なく、交代3枚中2枚があてがわれることが多い。ましてや、今季主に白崎と左サイドを形成したサイドバックの相棒は、ポルティモネンセに移籍した安西幸輝、安西に代わって定位置を奪った小池裕太と、いずれもオーバーラップを持ち味とする選手。背後のカバーも求められる。また逆サイドのレアンドロは容赦なくクロスを上げて好機を作り、容赦なくボールを失ってピンチを招くタイプ。ボランチのレオ・シルバも持ち場を離れてこそ長所が出る。鹿島の左サイドハーフは、そのケアもこなさなければならない。

次ページ「鹿島に来て点を取り始めて、得点の味を思い出した」と本人も自信

みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事