いよいよ決勝を迎えるコパ・アメリカ。格下ペルーが王国ブラジルに“大番狂わせ”を起こす!?

2019年07月07日 石川聡

通算成績はブラジルが33勝6分け2敗で圧倒

GL第3戦でブラジルに大敗を喫したペルー。頼みのゲレーロ(中央)が封じ込められたが、今回ははたして!? (C)Getty Images

 コパ・アメリカは現地7月7日17時(日本時間8日5時)、リオデジャネイロのマラカナンスタジアムで決勝を迎える。2007年大会以来、通算9度目の優勝を目ざすブラジルと、決勝進出は優勝した1975年以来実に44年ぶり、通算3度目のタイトル獲得を狙うペルーが顔を合わせる。

 開催国ブラジルの優位は動かないだろう。地元スポーツ局『SPORTV』は、これまでの両国の対戦成績を41戦してブラジルの33勝6分け2敗(得点87、失点10)と紹介。今大会はグループステージで同組に入り、その最終戦ではブラジルが5-0と圧勝した。ペルーはグループ3位のうち成績上位の2チーム枠に滑り込み、辛うじて準々決勝進出を果たした。

 それでもペルーの35歳の大黒柱、キャプテンのパオロ・ゲレーロは「決勝は難しい試合になる」と気持ちを引き締めながらも、「(前回対戦とは)違ったものになるだろう」と自信をのぞかせる。『SPORTV』は、マラカナンスタジアムでの得点実績について、ゲレーロがコリンチャンスとフラメンゴに在籍した期間、そしてペルー代表で計12得点をマークしている事実を紹介。この数字は現在のブラジル代表の誰よりも多いと注意を喚起した。

 
  ペルーの攻撃は、最前線のゲレーロをいかに孤立させず、後方の選手が勇気を持ってサポートできるかが鍵だろう。ゲレーロは左右両サイドに動いてボールを引き出し、味方にスペースを作る献身的な動きを見せる。これに連動できなければ、主砲は火を噴く前にブラジル守備陣の餌食(えじき)となる。押し込まれることが予想される展開で、エディソン・フローレス、クリスティアン・クエバ、アンドレ・カリージョら2列目の選手たちの出来が重要になりそうだ。さらには、突破力のある右サイドバックのルイス・アドビンクラが絡めれば、チャンスの芽も膨らむ。

 一方、守備では定石通り、早い時間にリードを奪われないことがポイントになる。グループステージの対戦では、前半19分までに2点のビハインドを背負った。ブラジルは準決勝のアルゼンチン戦で19分にガブリエウ・ジェズスが先制し、後半には前がかりとなる相手の隙を突いたカウンターアタックで追加点をものにした。しかし、90分をスコアレスで終えたグループステージ第2戦のベネズエラ戦、準々決勝のパラグアイ戦(PK戦で4-3の勝利)のように、相手の堅守を崩せないと思わぬ苦戦に陥る傾向も見て取れる。

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