コパ・アメリカ準決勝でVARが採用されなかったのはブラジル大統領のせい!? 護衛集団が無線電波をジャックして…

2019年07月05日 サッカーダイジェストWeb編集部

大会組織委員会とCONMEBOLは意見が対立

セレソンの活躍ぶりに終始ご満悦だったボルソナーロ大統領(左写真の左)。その存在が試合の行方に大きく関わってしまったようだ。 (C) Getty Images

 現地時間7月2日に行なわれたコパ・アメリカ準決勝で、ブラジルはアルゼンチンを2-0で撃破。2007年のベネズエラ大会以来となる決勝進出を決めた。

 互いを最大のライバルと認め合う両者の対戦から3日が経過したが、その熱は冷めていない。というのも、とある問題が物議を醸しているからだ。

 アルゼンチン側は、フィルミーノのダメ押し点の直前にセルヒオ・アグエロが敵エリア内で倒されたにもかかわらず笛を鳴らさず、ビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)による検証も行わないなど、厳しいジャッジを続けたロディー・ザンブラーノ主審をはじめとする審判団に対して異議。試合翌日には、南米サッカー連盟(CONMEBOL)に対して抗議文を提出していた。

 そして、新たな問題も噴出している。スペイン紙『La Vanguardia』が、試合中にVARが採用されなかったのは、ブラジルのジャイール・ボルソナーロ大統領の存在が影響したと報じたのだ。
 記事によれば、この試合を観戦に訪れていたボルソナーロ大統領の護衛に当たっていたチームが大量の電波をジャック。その影響を受け、試合映像をチェックしている部屋とザンブラーノ主審の無線が通じずにVARが機能しなかったというのだ。

 この問題に対して、ブラジルのコパ・アメリカ組織委員会は、ボルソナーロ大統領がスタジアムに入ってから通信障害が起きたことを認めたうえで、「ANATEL(ブラジルの通信庁)のおかげで試合前には解決していた」と主張。しかし、一方でCONMEBOLは「ザンブラーノ主審とVARルームの間に生じた異常が解決されたという証拠はない」と話しており、意見は食い違っている。

 一連の問題にアルゼンチン・サッカー協会は、「ジャイール・ボルソナーロ大統領の存在で全てが悪化した」と声明を発表。さらに「試合中に選手、関係者、そして一般の人々が気付かないところで、政治的な影響が及ぼされたことは明らかだ」と怒りを露わにした。

 強烈なライバル関係にある両国の間で生じたジャッジを巡る問題。その余波は、しばらく続きそうだ。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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