17歳とは思えぬスマートさ… 2024年パリ五輪の中軸と目される東京Vルーキーがスゴイ!!

2019年07月03日 海江田哲朗

飛び級でトップ昇格、期待のルーキー山本理仁は今

J2第12節の長崎戦でJリーグデビューを果たした山本理仁

 期待のルーキーが、いよいよ台頭してきた。

 今季、ユースから飛び級でトップ昇格を果たした東京Vの山本理仁。足もとのボールコントロールに長け、広い視野でパスを配給できるレフティだ。また、全体の状況を見ながら危険なスペースを察知し、素早く対応する守備力も備える。

 J2リーグ12節の長崎戦でJリーグデビューを果たし、17節の鹿児島戦では初スタメン。以降、継続してメンバー入りし、17歳とは思えない冷静沈着なプレーを見せている。
「プレーの選択は、デビューしたての頃に比べれば余裕を持ってやれていますね。途中出場が多く、いきなりテンポの速い流れに合わせるのは難しさがありましたが、最近はすんなり入れるようになった」

 トップの練習に参加するようになって半年が経ち、プロのスピード感に慣れてきたことが大きいのだろう。
「紅白戦で途中からAチームに入れることが増えてきて、(佐藤)優平さんや(井上)潮音くん、(藤本)寛也くんから『もっとこうしたほうがいいよ』とアドバイスを受けたのが生かされていると感じます。練習から先輩たちと話し合いながらやれるのは本当にタメになる」

 この謙虚さ、聡明さが新しいことをスポンジのように吸収し、一段高いレベルへの適応を可能にする。
 
 6月30日、20節の岐阜戦、山本は今季2回目の先発メンバーに名を連ねた。

 ゲームは東京Vが圧倒的にペースを掌握しながら、岐阜に先制点を許す苦しい展開。山本はやや後方に位置し、ダブルボランチを組む井上をサポートしつつ、バランサーに徹した。

 岐阜のカウンターを警戒し、ルーズボールの回収と相手の攻撃の起点を速やかに潰す。前に人数をかけすぎては渋滞を引き起こすという考えもあったに違いない。ゲームの展開を見ながら次に現れる局面を読めるだけに、スマートにプレーにしすぎる面はある。若さに似つかわしくない落ち着きぶりの副作用とも言えそうだ。

 結果、85分に交代し、終了間際のレアンドロの決勝ゴールをベンチから見届けることになった。自らタクトを振るってゲームを動かし、チームを勝たせる力をつけていくのはこれからだ。

 U-18日本代表で10番を背負う山本は、来年の東京五輪の次、2024年のパリ五輪を目指す世代の中軸と目される。底知れない能力が開花し、ピッチで存分に躍動する日を楽しみに待ちたい。

取材・文●海江田哲朗(フリーライター)
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