【磐田】自ら身を引いた名波浩が「歴代ジュビロ監督では一番」と自負するものとは?

2019年07月01日 広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

『まだ、やるよな?』『やります、前向きです』

チームを良くしよう、強くしようと、選手たちと一緒にサッカーと向き合った。それは何ものにも代え難い充実した日々だった。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

 6月30日のJ1第17節・川崎戦の試合後、磐田の名波浩監督が辞任を表明した。
 
 17節終了時点で、3勝5分9敗の勝点14で最下位。チームを思うように勝たせられなかった。選手たちに気持ち良くサッカーをさせてあげられなかった。ファンやサポーターに感動を届けられなかった。そうしたことに責任を感じて、自ら身を引いた。
 
 やり切ったのか、まだ心残りがあるのか。名波は「やり切ったなんて一切思っていないです」ときっぱりと言う。そして、愛すべきクラブでの日々を次のように振り返る。
 
「監督として就任させてもらってから、何ものにも代え難いサッカーの日常というか、そういうものの充実感がものすごくありました。苦しい時期ももちろんありましたけど、選手とともに、チームを良くしよう、強くしようと思えた時間が長かった。歴代ジュビロ監督では一番だなというふうに自負はしています」
 
 思うように結果を出せなかったかもしれない。ただ、名波にとっては幸せな日々だったはず。その日々を無駄にするつもりはない。
 
「これからの僕のサッカー人生もまだまだ続きます。昨日も、あるJリーグの監督の方に、これ(辞任)を伝えた時に、『まだ、やるよな?』と言われて、即答で『やります、前向きです』と伝えました。自分が成長するための素晴らしい時間だったし、ここでのかけがえのない時間を、次にまたプラスアルファに変えていかないと、何の意味もないので。今はそういう気持ちでいます」
 
 気丈に前を向く名波の次なるチャレンジと、その成功を祈りたい。それは間違いなく、ジュビロでの日々があったからこそのものだから。
 
取材・文●広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)
 
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