「彼自身が自分を殺したのだ」サッリのユベントス監督就任を受け、ナポリでは抗議活動が勃発!

2019年06月17日 サッカーダイジェストWeb編集部

「信じていたのに…」と恨み節も

18-19シーズンにチェルシーをEL優勝に導いたサッリ。ユーベで結果を残せるか。(C) Getty Images

 ユベントスは現地時間6月16日、新監督にマウリツィオ・サッリを招聘したことを発表した。

 サッリが王者の指揮を執ることに怒っているのが、古巣ナポリのサポーターだ。かつてゴンサロ・イグアインが移籍した時のように、ナポリの人々は、自分たちが愛してやまなかったサッリが、天敵を率いることに激怒している。

 ユベントスがサッリを招聘することは、以前から既定路線とも言われていた。だが、実際に正式発表となったことで、一部では抗議活動が起きている。『Gazzetta dello Sport』紙など、イタリア・メディアが相次いで伝えた。

 例えば、サッリ生誕の地であるナポリのバニョーリ地区では、「マウリツィオ・サッリ司令官はここで生まれた。ナポリの人々は、美の傑作に感謝する」と記された、指揮官にささげられた記念プレートが取り除かれている。

 プレートを外したグループは、SNSで「サッカーにおいて、信じるということを続けるべく、だれかを信じ、信頼してきた大勢の人々の悔しさを(報道で)目にし、我々の心は泣いている」と訴えた。

「その信頼はマーケットの法則によって定期的に打ち砕かれる。サッカー界ではもう、マーケットの法則だけで、イデオロギーや帰属意識などは存在しないのか? 大好きになった人たちの選択に裏切られることを、これ以上どれほどの人たちが望むのだろうか?」

 また、サッリ監督のサッカーを称賛し、9万人以上がフォローしているフェイスブックのグループ「サッリズム-喜びと改革」は、「これは、この瞬間から解散と考えざるを得ない中央執行部による最後の声明だ」と、グループ解散を表明している。

「サッリが初トロフィーを獲得したバクーの駅で、『サッリズム-喜びと改革』は立ち止まる。サッリは今後、ひとりで続けていくことになる。サッリが裏切った人がいるとすれば、それはサッリ自身だ。彼が『指揮官サッリ』を殺したのだ」

 そのほか、サッリのドキュメンタリーを制作したマッシミリアーノ・ガッロは、映画の手直しに言及。署名サイト『change.org』では、百科事典に記載される単語「サッリズム」に記されたナポリに関する文章を取り除くように求める署名活動も始まった。

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