【チリ戦|戦評】スコア以上の惨敗。それでも大事なのは若き代表が何を学んだかだ

2019年06月18日 本田健介(サッカーダイジェスト)

試合の入りは良かったが…

肩を落とす日本の選手たち。チリ戦は0-4の完敗となった。(C)Getty Images

[コパ・アメリカ/グループリーグ第1戦]日本 0-4 チリ/6月17日/エスタジオ・ド・モルンビー
 
 0-4。もっとも日本にとってはスコア以上に重くのしかかるゲームとなった。
 
 ブラジルで開催されているコパ・アメリカに"招待国"として20年ぶり2度目の出場を果たした日本は、6月17日、グループリーグの初戦で大会連覇中の王者チリと対戦。41分に先制を許すと、後半には3失点し、完封負けを喫した。
 
 会場となったエスタジオ・ド・モルンビー(サンパウロのホームスタジアム)のスタンドには空席が目立ったが、公式記録によると観衆は2万3253人。元々約7万人を収容するスタジアムなだけに、見た目より多くの人数が入っていたようで、そのほとんどがチリサポーターだった。
 
 スタジアムが揺れるようなチリの国歌斉唱に始まり、試合前の雰囲気は"完全アウェー"。面を食らった選手も少なくなかったはずで、今回のメンバーは東京五輪世代が中心となる平均年齢22.3歳のフレッシュな顔ぶれだっただけに、なおさらだっただろう。
 
 それでも日本の入りは悪くなかった。最後まで読めなかったシステムは「3-4-3をベースに東京五輪世代のチームは活動してきましたが、原理原則は変わらないという意味でA代表の形でプレーしてもらいました」と森保一監督は説明し、A代表のメインシステムである4-4-2(2トップは縦関係)でスタート。
 
 両SBの原輝綺、杉岡大暉は相手のキーマンであるアレクシス・サンチェスらに粘り強く対応し、攻め込まれたものの、水際では身体を張った。そして攻撃では中島翔哉のドリブル、柴崎岳のパスなど個々の能力を活かして、速攻を仕掛けた。
 
 それでも「向こうは決定的なチャンスを決めてきたのに対し、自分たちはチャンスがありながら決められなかった」と久保建英が振り返ったように、チリは41分にCKからエリク・プルガルが打点の高いヘッドを決め、その後も効率よくゴールを重ねた一方、日本は立て続けに迎えたチャンスを上田綺世がモノにできないなど、無得点。
 
「決定力の差」。選手たちは試合後に口々にそう語ったが、ゲーム運び、球際でのインテンシティの強さを含め、完敗と言えるゲームだった。
 

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