ロナウジーニョやバルデラマetc…コパ・アメリカで名を揚げたビッグスター「5選」

2019年06月15日 沢田啓明

19歳で出場しスーパーサブとして活躍

(左から)フランチェスコリ、アドリアーノ、バルデラマ、ロナウジーニョ、バティストゥータ。いずれもコパ・アメリカを沸かした名プレーヤーだ。(C)Getty Images

 6月14日~7月7日に開催されるコパ・アメリカ。この南米王者を決める大会で評価を高め、飛躍のきっかけにした名手は少なくない。

 なかでも強烈な印象を残した5人のアタッカーを紹介する。

―――◆―――◆―――

ロナウジーニョ(ブラジル代表/MF)

 コパ・アメリカ史上、最も鮮烈な登場をした選手のひとりだろう。

 ブラジルの名門グレミオの下部組織で育ち、1998年に18歳でデビュー。99年6月に代表に初招集され、この年のコパ・アメリカに19歳で出場した。

 グループステージ最初のベネズエラ戦で後半途中からピッチに立つと、最初のプレーで観衆を驚愕させる。右サイドからの折り返しを受けると、ボールを相手選手の頭越しに浮かして抜き去り、さらに右足の外側でボール前へ運んでもうひとりをかわすと、右足でニアサイドに叩き込んだ。これが代表初ゴール。右の拳を高く突き上げ、幾度となく躍り上がって喜んだ。

 その後もほとんどの試合に後半途中から出場し、スーパーサブとして優勝に貢献。この大会におけるプレーで一躍有名になり、2年後にパリSGへ移籍するとスターダムを駆け上がっていった。
 
カルロス・バルデラマ(コロンビア代表/MF)

 中盤で厳しいチェックを受けても足の裏でボールを引くなどして飄々とかわし、スペースへ走り込む味方選手に右足のインサイドキックで正確無比のパスを送り届ける。トレードマークの金髪のアフロヘアーを揺らして走ることはほぼ皆無で、極端に少ない運動量ながらチームの攻撃を差配する「不動の司令塔」だった。

 キャリア前半は国内でプレーしたため、国際的には無名だった。しかし、1987年のこの大会に25歳で出場すると、この男の特異なプレースタイルに相手が対応できず、チームは快進撃をつづけた。

 準決勝で延長戦の末にチリに敗れたものの、3位決定戦で前年度のワールドカップを制した天才マラドーナ率いるアルゼンチンと対戦。「背番号10」対決で上回ってチームに勝利をもたらし、大会MVPに輝いて世界にその名を知らしめた。
 

次ページ大会後にフィオレンティーナへと渡ったバティ

みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事