【スカパラ川上つよし×鹿野淳|前編】日本代表が臨むコパ・アメリカと南米の“凄み”とは?

2019年06月12日 白鳥大知(ワールドサッカーダイジェスト)

「高地でのライヴも慣れてきました」

スカパラの川上氏(右)と音楽ジャーナリストの鹿野氏が、南米サッカーを語り尽くす。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

 コパ・アメリカ2019が6月14日、いよいよ開幕を迎える。開催国のブラジル代表やリオネル・メッシを擁するアルゼンチン代表はもちろん、1999年大会以来の参加となる日本代表にも注目が集まる。
 
 その開幕を前に、東京スカパラダイスオーケストラ(通称スカパラ)のツアーで南米各国を回り続ける経験を何度も持ち、大のFC東京ファンとしても有名な川上つよし氏、そしてサッカー好きとして知られる音楽ジャーナリストの鹿野淳氏のスペシャル対談が実現。南米、コパ・アメリカ、そして日本代表について語り尽くしてもらった。
 
 対談の前編はまず、南米という環境とサッカーについてだ。
 
――今回はお二人に南米、コパ・アメリカ、そして日本代表などについてお話いただければと思います。
 
鹿野:コパ・アメリカ招待の常連だったメキシコが、今大会は不在。同じ時期にゴールドカップ(北中米カリブ海選手権)があるから、代わりに日本とカタールが招待された形ですね。川上さんはスカパラのツアーで何度も南米やメキシコに行かれていますが、メキシコって南米とアメリカに挟まれたなかなか微妙な立ち位置ですよね?
 
川上:そうですね。向こうではラテン・アメリカって一括りにされています。メキシコはスペイン語圏なので、南米と同じカテゴリーの中に入っていると思いますよ。コパ・アメリカの中にいても、もはや違和感なかったですもんね。
 
鹿野:ですよね。トランプが大統領になって以降は、政治的にもアメリカとは摩擦が続いているので、余計に南米寄りのイメージがありますけどね。それにしてもコパ・アメリカの過去2大会(2015年と2016年)は、チリが連覇か。意外といえば意外ですよね。
 
――ビダルやアレクシス・サンチェスなどの黄金世代がちょうどピークで、チリ史上最高とも謳われるチームでした。
 
川上:やっぱり南米はレベルがすごく高いですよね。ワールドカップ予選でも毎回、ブラジルかアルゼンチンのどっちかが大苦戦するくらいですから。

鹿野:たしかに、どの試合も気を抜いていない。環境もハードだし、ボリビアのラパスなんて富士山よりも標高が高いらしくて。そんなとこでサッカーをやるなんて、尋常じゃないですよね。スカパラもメキシコシティ(標高は2300メートル)を含めて高地でのコンサートは大変じゃないですか?
 
川上:もう何度も行っているので、最近はかなり慣れてきましたよ(笑)。初めの頃は酸素吸入器をステージ袖に置いてましたけど、7回、8回と通ううちに必要なくなりました。
 
鹿野:僕なんか高地だとランニングで2キロ走るだけで立ち止まりましたけど、通うと慣れるもんなんですね。
 
川上:今回のコパ・アメリカを開催するブラジルは高地こそないですが、やっぱり国土が広いのでツアーの時は移動が大変ですね。2014年のワールドカップの時も話題になっていましたよね。
 
――今大会の会場は南部に固まっていて、中部はサルバドールだけなので、2014年ワールドカップのような移動地獄はないようです。
 
川上:それは助かりますね(笑)。

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