関東大学サッカーに吹き荒れる明治旋風!8試合で19得点・4失点と抜群の安定感を誇る理由は?

2019年06月07日 小室功

まさに堅守。8試合中6試合がクリーンシート

7勝1敗の明治大は2位に勝点4をつけて首位に立っている。写真:小室功

 今季のチームスローガンに"挑越"を掲げる明治大が頭ひとつ抜け出した。
 
 関東大学リーグ前期は8節までを終了し、7勝1敗の明治大が勝点21で首位に立っている。立正大と筑波大が4ポイント差で並び、追いかける展開。およそ3分の1を消化した段階だが、明治大の充実ぶりが光っている。
 
 チームを率いる栗田大輔監督が好調の理由として真っ先に挙げたのが「失点の少なさ」だ。もともと守備に定評のある明治大だが、ここまでクリーンシートが6試合を数え、抜群の安定感を誇っている(8試合で総失点4はリーグ最少)。
 
「守備の面で、いろいろなエラーが想定されるわけですが、(失点が少ないのは)チームとしてやるべきことを選手みんなが理解して、そこを日々、追求してきた成果です。選手同士の会話が増えているし、"考える"という作業の積み重ねによって戦術理解力も高まっていると思いますね」(栗田監督)
 
 3バックベースで戦う明治大の堅守を支えるのはチームの一体感にほかならない。その中心的役割を果たすのがボランチの安部柊斗だ。球際の強さ、セカンドボールへの反応、周囲への絶え間ないコーチングと、人一倍、汗をかいている。

 運動量が豊富な生粋のハードワーカーで、卒業後はFC東京入りが内定。同クラブのアカデミー出身だけに、いわゆる古巣への帰還となる。
 
「一人ひとりがやらないといけないという意識が高い。みんなでカバーし合っているし、最後のところで身体も張れている。チームとして、粘り強く、メリハリのある守備ができていると思います」(安部)
 
 8節の専修大戦では、常に先手を取りながらも逆襲からまさかの2失点。"らしからぬ姿"を垣間見せたが、栗田監督は「それも今後の反省材料」と前向きに捉える。
 
「うちの3バックに対して相手のFW3人が前残りしていて、3対3の状況を作られていた。そこの対応に手こずってしまった。でも、終了間際のゴールで勝ちきることができたので(3-2)、よかったです。あのまま引き分けで終わるのと、勝って終わるのとでは、まったく違いますから」(安部)
 
 19得点を叩き出している攻撃面にフォーカスすれば、「両ワイドがひとつのポイント」(栗田監督)だ。左の森下龍矢と右の中村帆高のスタートポジションを高めに設定し、サイドでの優位性を保ちながら好機創出。そして、チーム一の得点源になっているのがキャプテンのFW佐藤亮だ。

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