【総体予選】埼玉の高校サッカーがアツイ!「1枠」を巡る壮絶バトルを直前展望!

2019年06月07日 河野正

いよいよ6月8日、熱戦の火蓋が切って落とされる

昨年度も2年生で10番を付けた須藤。優勝候補・昌平の中盤を司る。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

 全国高校総体(インターハイ)埼玉県予選が6月8日、関東大会予選のベスト8をはじめ、県リーグ出場校や地区予選を勝ち抜いた計52校が参加して開幕する。
 
 昨年度まで高体連加盟校数の多い7都道府県では、各2校が本大会に出場できたが、大会規模の縮小に伴って今年度から埼玉、千葉、愛知は優勝校のみの減枠となった。決勝は6月23日、NACK5スタジアムで行なわれる。
 
 1枠を巡る争いは4連覇を狙う昌平を中心に展開されそうで、これに関東大会予選を制した武南や準優勝の浦和東、同4強の聖望学園と西武台が絡んでくるだろうか。
 
 昌平は関東大会予選こそ2回戦で埼玉栄に足をすくわれたが、才能豊かな好人材が目白押しのうえ、4試合で25点を奪って優勝した新人大会での破壊力などを考えると、大本命であることに変わりはない。
 
 須藤直輝(2年)と大和海里(3年)の両MFが、ドリブルとパスで組み立てる攻撃はリズミカルで、短いパスを何度も通わせた後、鋭いくさびを打ち込む戦法は対戦相手にとって脅威の的。SBの大竹琉生(3年)が新人大会で7得点を挙げたように、攻めの起点と突破口があちこちに散りばめられている。CB高橋孝太(3年)がまとめる守備も堅牢だ。
 
 ただ2回戦に進むと、昨年の高校選手権予選・準々決勝で手を焼いた正智深谷と対戦する。この難敵はMF波多野晟愛(3年)の決定力とFW金田奎人(3年)の速さが武器で、1対1に強いDF山田裕翔(3年)ら昨年からの主力がさらに力を付け、容易ならぬ相手である。

 
 16度目の優勝を目ざす武南は、MF青野翔太(3年)が巧みな配給で攻撃をリードし、持ち前のサイドアタックからエースFW大谷涼太(3年)がゴールを狙う。DF宝満朋矢(3年)が統率する守備は、同予選5試合を無失点で制した堅陣だ。
 
 伝統の走力と粘り強さが健在の浦和東は、主将の安食龍成(3年)と186センチの松本ケンチザンガ(3年)の両CBを軸に守備が堅く、GK川村龍世(2年)は関東大会予選3試合でPKを7本止めた。遠投を含めたセットプレーが得点源となる。

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