【日本代表】中島翔哉と堂安律の違い。同じシャドーのポジションで見えたのは…

2019年06月06日 多田哲平(サッカーダイジェスト)

専門的だった中島

中島(右)と堂安(左)はともにシャドーで先発。いずれも71分までプレーし、攻撃を引っ張った。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

[キリンチャレンジカップ]日本0-0トリニダード・トバゴ/6月5日/豊田スタジアム
 
 日本代表は6月5日、キリンチャレンジカップでトリニダード・トバゴと対戦。FIFAランク93位の格下からゴールを奪えず、スコアレスドローに終わった(日本のFIFAランキングは26位)。
 
 日本はこの試合で、森保体制下で初めて3-4-2-1システムを導入する。従来の4-4-2以外のオプション作りに着手したのだ。新布陣のシャドーのポジションで先発したのが、4-4-2ではサイドハーフを務めていた中島翔哉と堂安律のふたりだった。
 
 同じシャドーのポジションを任され、ともに71分までプレーしたふたりのキャラクターは対照的で、はっきりと分かれていた。
 
 より専門的だったのが中島だ。ひとたびボールを持てば、切れ味鋭いドリブルを度々披露して、トリニダード・トバゴの守備陣を翻弄。十八番のカットインからクロスやシュートを繰り出し、何度もチャンスを演出した。
 
 34分の一瞬でDFを振り切って打ったシュートや前半アディショナルタイムの痛烈なミドルシュートなど、前半だけで5本のシュートを放った。前後半合わせて、両チームトップの7本も記録できたのは、とりわけ強力なドリブルという武器があったからだろう。ある意味エゴイスティックなプレーで攻撃を活性化していた。
 
 特にインパクトが大きかったのが41分のカウンター。堂安からのクリアボールを左サイドのタッチライン際で拾うと、素早い反転で詰めてきたDFをかわして一気にゴール前まで駆け上がったシーンだ。最後はエリアに侵入する前にファウルで止められたものの、ドリブルという最大の特長を活かし、数秒で会場を沸かしてみせた。
 
 システムが変わってもドリブルをベースとしたプレーは変わらない。そうした自分のスタイルを貫く中島の姿勢は、「もちろんポジションによって違いはありますけど、基本的な考え方は変わりません。どんどんチャレンジして、怖がらずにいければなと思います」というコメントからも窺える。
 

次ページ万能性が光った堂安

みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事