［Ｕ－20ワールドカップ決勝トーナメント１回戦]日本０-１韓国／６月４日／ルブリンスタジアム
 
「点を取ったチームが勝つのがサッカー。点を取れなかった僕らが負けて、点を取った韓国が勝った。本当にシンプルなゲーム」
 
　キャプテンの齊藤未月がそう言った通り、結果がすべてである。決して、惜しかったわけではない。
 
　試合運びは良かった。前半は韓国が５バックで自陣にべた引きしてきたが、「そう来るとは思っていた」（郷家友太）としっかりとした分析の下で選手も準備していた。実際、ボールを保持しつつも、ロスト時にはボランチの齊藤を中心にカウンターのケアもできていた。

　さらに、ブロックを固めてきた相手に対して、郷家や西川潤らがポジションチェンジをしつつ、最終ラインの裏を突いて相手の守備を崩しにかかった。72％を誇るポゼッションでジャブを打ち続けチャンスも作り、45分には宮代大聖のクロスに西川が飛び込んだものの、わずかにパスは合わなかった。
 

　後半に入ると、韓国がＤＦイ・ジソルに代えて、ＦＷオム・ウォンサングを投入し、システムも４－４－２に変更。一気に攻撃のギアを上げてきたが、「このまま韓国は終わらない。出力を上げてくる。そこからが勝負だぞ」と影山雅永監督はハーフタイムに選手へ伝えており、宿敵の策略は想定の範囲内だった。
 
　実際、先にネットを揺らしたのは日本だった。50分、こぼれ球を拾った齊藤がゴール前に山なりのボールを送り、これに宮代が反応。シュートは相手ＧＫに弾かれたものの、郷家が詰めてゴール……と思われたが、VARで宮代がオフサイドと判定され、得点とはならなかった。
 
　このジャッジが、日本に心理的な影響を及ぼした。
 
「VARの判定が出た瞬間、日本の心理状態が不安定になったんじゃないかと思います。みんなバタバタになってしまっていた」（郷家）

「ゴールになった喜びを分かち合った後に、取り消されるのはあれだけダメージがあるんだなと感じた」（齊藤）