【岩本輝雄】大槻レッズの巻き返しの可能性は? 鍵を握るのは前線のトライアングルか

2019年06月04日 岩本輝雄

ドラスティックな変化は感じなかった

かつてのスタイルを取り戻すのか、新たな方向性を模索するのか。大槻新監督の手腕に期待したい。(C)SOCCER DIGEST

[J1第14節]川崎1-1浦和/6月1日/等々力陸上競技場
 
 中断期間前のビッグマッチ、フロンターレ対レッズの一戦は1-1の引き分けだったね。フロンターレがレアンドロ・ダミアンのゴールで先制して、そのままタイムアップかと思われたアディショナルタイムに、レッズの森脇が起死回生の一撃をねじ込むという、劇的な幕切れだった。
 
 注目は、指揮官が交代したレッズ。オリヴェイラ体制から大槻体制に代わって、3連覇を目指す王者相手に、どんな戦いを見せてくれるのか。
 
 印象としては、レッズにそこまでドラスティックな変化は感じなかった。3-4-2-1システムで、守備時には5バック気味になって、まずは手堅く守りながら、チャンスを窺う。カウンターを狙いながら、攻める時は興梠、武藤、マルティノスの3人が勢いを持って前に出ていく。今は柏木が負傷中で、ボール回しのところで難しい部分があったように感じたけど、奪ってからの素早い攻撃は徹底されていたんじゃないかな。
 
 個で見ると、右サイドで先発に抜擢された岩武は面白いね。スピードはあるし、1対1でもアグレッシブな姿勢を見せていた。大槻レッズのキーマンとして、今後楽しみな存在になりそうな予感がしたよ。
 
 あとはマルティノス。彼が前を向いてボールを持った時の推進力は、それなりに脅威を与えていたと思う。時々、プレーが雑になる時もあるけど、ゴールやアシストなど決定的な仕事さえしてくれればオッケー。それができる実力はあるはずだから。
 
 ここからいかに立て直していけるか。レッズの良い時は、ポゼッションでゲームを支配しながら、サイドと中を上手く使って、2シャドーと1トップが良い距離感を保ちながら、相手のバイタルエリアを攻略する。そうしたスタイルを取り戻すのか、あるいはまた違った方向性を模索するのか。
 
 まだ再出発したばかり。何を隠そう、僕はサッカーダイジェスト本誌の開幕前予想でレッズを優勝に推しているからね(笑)。ここからの巻き返しに期待しているよ。

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