【U-20W杯・イタリア戦|戦評】いまだ無敗も無傷では掴めなかった16強入り。悔やまれるのは…

2019年05月30日 志水麗鑑(サッカーダイジェスト)

イタリアに勝って1位突破を目指したが…

ゴールに迫った田川は、前半途中に足を痛めて負傷交代した。(C) Getty Images

[U-20ワールドカップ グループB]U-20日本 0-0 U-20イタリア/5月29日/ブィドゴシュチスタジアム

 試合前の順位は勝点6のイタリアが首位、勝点4の日本が2位。ともに引き分け以上で決勝トーナメント進出が決まる状況だった。それでも、日本は「このイタリアに勝って1位で(決勝トーナメントに)行ってやろうという意識で戦っていた」と影山雅永監督は言う。

 対するイタリアは第2戦から先発を9人も替え、システムも3から4バックに変更した。両サイドバックがあまり攻め上がらない守備的な布陣で、影山監督も「あの布陣から思うに、そして試合が終わってからのあの喜び方から察するに、1位でまず抜けたい。だけれども、決勝トーナメントに出れなくなるような選手を作りたくない。というのを両取りするための策だったのかなと思います」と見解を示した。
 
 そのため、ゲームはボールを保持して攻め込む日本に対し、イタリアが自陣に引いてワンチャンスを狙う構図。実際、ポゼッション率は54%対46%、シュート本数は19対12と日本の方が上回っていた。

  日本は4分にCKのサインプレーで斉藤光毅が鋭いシュートを放つ。9分にはロングボールに反応して最終ラインの裏に抜け出した田川亨介が、相手DFに倒されてPKを獲得。しかし、キッカーの伊藤洋輝が放ったボールは、相手GKに防がれた。

 攻勢に出た日本は2トップがゴールに迫る。19分には田川がスピードで相手DFを置き去りにしてチャンスを得たが、このプレーの後に右足の太腿裏を押さえてピッチサイドに倒れて中村敬斗と交代した。
 
 さらに78分、右サイドをドリブルで抉った斉藤が、ディフェンスに入った相手DFと接触。左肩を押さえてピッチを後にし、代わりに鈴木冬一が入った。

次ページ失ったもの、得られなかったものも決して小さくはない。

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