ACL16強の顔触れに韓国メディアが本音「韓日中の三国志でKリーグが一歩遅れた」

2019年05月23日 ピッチコミュニケーションズ

韓国の市民クラブ、大邱と慶南は希望と限界を示した

浦和はラウンド16で韓国の蔚山現代と対戦する。(C)SOCCER DIGEST

「Kリーグの四龍、同伴16強進出に失敗」。これはACLグループステージ全日程終了を受けて、スポーツ新聞『スポーツソウル』が報じた第一報だ。
 
 最終節を待たずして全北現代がグループG、蔚山現代がグループHの1位通過を決めていたなか、大邱FCと慶南FCの突破を期待する声も多かったが、広州恒大と2位の座を争っていた大邱は直接対決に敗れてグループFの3位に終わり、ジョホールに2-0で勝利した慶南も鹿島アントラーズが山東魯能に勝利して自力でグループEの2位を確保したため、有終の美を飾れなかった。
 
 それだけに2チームに対して厳しい意見があると思いきや、「大邱と慶南、16強ではなくとも意味はあった」(『FOOTBALLIST』)、「惜しかったが希望を見た……グループステージ敗退で止まった市民クラブのACL挑戦」(『GOAL.COM』韓国版)と、その戦いぶりを評価する論調が多かった。
 
『スポーツQ』などは「大邱と慶南のACLの行楽は十分に美しかった」と、「美しかった」という言葉を見出しに使ったほどである。「美しい挑戦を終えたKリーグの市民クラブ」というコラムを掲載した一般紙『世界日報』もこう報じている。

「Kリーグの市民クラブを見て真っ先に浮かぶ単語は"劣悪さ"だ。企業クラブに比べると不足している支援と薄い選手層で、国内のKリーグでさえ常に厳しい戦いを強いられる。そんな市民クラブが2019年は希望を与えてくれた。慶南と大邱が、ACLの舞台で中国や日本などの頂上級チームと堂々と渡り合ったからだ。2チームとも最後まで16強進出の希望もあった」(『世界日報』)
 
 ただ、すべてのメディアが大邱と慶南を手放しで評価しているわけではない。『スポーツ韓国』は、「結局、市民クラブの限界? "初出場と薄い選手層"の克服は難しかった」と題した記事のなかでこう指摘している。
 
「2チームとも初出場のせいか、選手団やフロントさえもACLに対する態度が生硬で未熟さがあった。市民クラブの特性上、財政に限界があるため全北や蔚山のようにローテーションを組める"ダブル・スカッド"を備えていなかった。二元化しなければならないのに、並行できると欲張った。 そのため、体力的限界も明らだった」

次ページ全北と蔚山には「ACL進出権3+1」の確保が求められる

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