約8か月ぶりの師弟対決。白熱の展開に川崎の中村憲剛、名古屋の風間八宏監督らはなにを感じたのか?

2019年05月18日 本田健介(サッカーダイジェスト)

白熱の攻防はドローで幕を閉じる

中盤では両チームが激しく激突。見応えのあるゲームとなった。写真:茂木晃あきら(サッカーダイジェスト写真部)

[J112節]川崎1-1名古屋/5月17日/等々力
 
 Jリーグ切っての攻撃的なサッカーを展開する川崎と名古屋の一戦は、1-1のドローで幕を閉じた。もっとも、ともに狭いスペースでもパスをつなぎ、守備の強度も高いレベルで維持したゲーム内容は、観る者を満足させたのではないか。
 
 この一戦の注目度を上げたのは、かつて川崎を指揮し、現在は名古屋を率いる風間八宏監督と、元教え子たちの対戦でもあったからだ。
 
"風間グランパス"と川崎は、昨季2度対戦して、川崎の2勝。もっとも今季は名古屋が成績で上回るだけに、約8か月ぶりとなる3度目の対戦はどちらに転ぶか分からなかった。
 
 その一戦をかつて川崎で風間監督の薫陶を受けた選手たちはどう感じたのか。まず川崎の守備リーダーである谷口彰悟は「お互いに良い部分もあったし、隙もあったので、この結果が妥当かなと思います」と振り返りつつ、試合を分析する。
 
「(名古屋は)似ている感覚はありました。一人ひとりのクオリティは高いので、注意していました。(名古屋対策は)特にはなかったんですが、お互いにボールを握って攻めたいチームなので、主導権を握られる時間帯もあると考えていました。だからボールを持たれることを嫌がらない、持たれればしっかりブロックを築いて割り切って我慢強く戦おうと思っていました。焦れずに戦うことは統一できていました。皆、最後のところでは身体を張ることができました。」
 
 そして恩師に対しては「風間さんにはどうこうというのはないんですが、負けたくないという気持ちはありましたし、風間さんが見てこの選手嫌だなと思われたらそれが恩返しかなと思いました」と語る。
 
 またリーグ戦では6試合ぶりの戦列復帰となった中村憲剛は「ひとつのミスが致命的になる試合でしたし、そのミスをカバーできるチームの力が両方ともありました」とレベルの高い攻防だったことを説明し、名古屋の印象を話す。
 
「一人ひとりが去年に比べて堂々と(ボールを)持っているところがありましたし、それはやっぱり人が変わった部分があり、しっかりボールを触れる選手が増えたというのがあると思います。前にも良い選手が多いですが、僕らは引くのではなく、前から取りに行く作業を選択しました」
 
 

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