降格圏に沈む磐田…反転攻勢のキーマン・山田大記が力説する「一番大事」なこと

2019年05月02日 サッカーダイジェスト編集部

「もう『次こそ』とばかり言っていられる状況ではない」

1-2で敗れた札幌戦後、山田は大の字になって顔を覆った。写真:徳原隆元

 北海道コンサドーレ札幌戦での今季ホーム初勝利は成らず。3連敗で17位に沈んだジュビロ磐田。苦しい戦いが続くが、この試合の後半は主導権を握り、0-2から1点を返した後も相手ゴール前に迫った。札幌がやや引いてカウンター狙いの戦術を徹底したことや、前半飛ばした相手の疲れは差し引かなければならないにしても、終盤は地力があることを感じさせる内容。オープンな展開のなか、走力も相手を上回った。ホイッスルが鳴ると札幌の守備陣がピッチに膝をつき、なかなか立ち上がれなかった姿が磐田の追い上げの威力を物語っていた。
 
 5分間のアディショナルタイムが終わると、敵ゴール前で山田大記も倒れ込んだ。12.6キロの走行距離は、両チームを通じてトップ。だが、大の字になって顔を覆ったのは、疲れではなく、溢れる悔しさからだった。終了間際、山田はペナルティエリアに侵入し決定機を得るが、シュートはコースが甘くGKにキッャチされている。
 
「チャンスに決めきれなかったことが頭から離れなくて。今も離れない。もう『次こそ』とばかり言っていられる状況ではない」と、試合後に唇を噛んだ。

 前半の磐田はふがいない出来だった。札幌のハイプレスに苦しみ、ボールを持っても前に運べない。「立ち上がりの失点で自信を失ってしまったところがある」と選手たちが語ったように、開始早々に先制されたことで、プレーはさらに消極的に。ミスや球離れの遅さから自陣でボールを奪われ、セカンドボールもほとんど拾えずにリズムを出せなかった。
 
 そのなかでポジティブな要素を探せば、それでも前半のうちに少しずつ修正ができ、後半の反撃につながったことだろう。
 
「自分たちがボールを持って相手がブロックを作った時、ブロックの外で回しながら中にグッと刺すことがセオリーだけど、中に入る人数も少ないし入ったところで跳ね返されて外で回すだけだった。もっと自分たちでピッチに変化を起こしながらボールを中に刺さないと攻撃はできない。ただ、前半の半ばからそれが少しだけどできてきて、攻撃の糸口みたいなものが見え始めた」と山田。「後半は外を使いながらも中に入れて、そこからサイドに展開する攻撃もできたと思う」と、前後半の違いを振り返る。
 
 名波監督は後半頭からトップに川又堅碁とボランチに上原力也を投入し、1トップで先発したアダイウトンを左シャドーに移した。

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