「シンジはチームが求めるヒーローだった!」レスター地元紙が退団を表明した岡崎慎司の“思い出”を回想

2019年05月01日 サッカーダイジェストWeb編集部

「最高のゴール」に選ばれたのは?

ニューカッスル戦でのこの豪快なバイシクルゴールはレスター・サポーターのみならず多くのプレミアリーグ・ファンの脳裏に焼き付いているはずだ。 (C) Getty Images

 プレミアリーグへの電撃挑戦から約4年。レスター・シティに所属する岡崎慎司はついに愛着のあるフォクシーズ(レスターの愛称)を退団する。

 2015年6月にドイツ・ブンデスリーガのマインツから990万ポンド(約13億8600万円)でレスターに加入した岡崎は、その献身的なプレースタイルで、相棒のジェイミー・ヴァーディーを引き立て、クラウディオ・ラニエリ監督(当時)の下で1年目からレギュラーとして活躍。「奇跡」と呼ばれたプレミアリーグ制覇を成し遂げた。

 しかし、翌シーズン途中にラニエリ監督が解任されると、立場が一変。今年2月に就任したブレンダン・ロジャースに至るまで3度に渡る政権交代の中で、次第に出場機会を失っていき、今年4月についに今シーズンいっぱいでレスターを去る意思を明らかにした。

 退団を表明してもなお、岡崎の起用を求めるレスター・ファンは少なくない。それは彼が献身的なスタイルを貫き、クラブにプレミアリーグ制覇とチャンピオンズ・リーグ(CL)でベスト8進出という偉大なる功績をもたらしたからだろう。

 そんなサムライ戦士に対するオマージュの意味も込めて、地元紙『Leicester Mercury』が、特集記事を掲載した。

 日夜、レスターの情報を発信している同紙が、「シンジ・オカザキのレスターでの最高の瞬間」と題して特集したのは、レスターでの記憶に残るゴールシーンの数々だ。
 
「チームでの役割上、レスターでは多くのゴールを挙げられなかったとはいえ、岡崎には多くのハイライトがあった」として選んだのは、プレミアリーグでの初ゴールとなった2015年8月のウェストハム戦や、CLで初めて奪った2016年11月のクラブ・ブルージュ戦のゴールなど、いずれも懐かしい得点ばかりだ。

 そのなかで、「最も素晴らしいキック」として紹介されているのが、2016年3月14日に行なわれたプレミアリーグ第30節のニューカッスル戦で決めたバイシクル弾だ。

 チームが優勝争いでトップをひた走るなかで迎えた難敵との一戦で、25分に相棒ヴァーディーのヘディングの折り返しをアクロバティックにバイシクルボレー!  岡崎にとって本拠地キングパワー・スタジアムでの初ゴールは、当時の英紙『The Sun』が「シンセーショナルだ!(センセーショナルとシンジをかけた造語)」と絶賛するほ一撃だった。

 このゴールシーンを『Leicester Mercury』はこう褒めちぎっている。

「レスターが奇跡的なタイトルを手にするために、このタイトな試合は勝利する必要があった。そのために彼らは救世主を必要としていた。このニューカッスル戦でヴァーディーからのヘディングをバイシクルキックで決めたシンジ・オカザキは、まさにチームが求めるヒーローだった」

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