「選手のメンタリティーは変わった…」 ミラン黄金期を知るガットゥ-ゾが現役時代との違いを嘆く

2019年04月30日 サッカーダイジェストWeb編集部

今季限りの指揮とも報じられているガットゥーゾ。その胸をよぎるのは…。(C) Getty Images

 4月29日のセリエA第34節で、アタランタはホームでウディネーゼに2-0で勝利し、単独4位に浮上。これにより、27日のトリノ戦を落としたミランは7位に転落。地元メディアから"危機"が騒がれている。

 試合後、幹部のレオナルド、パオロ・マルディーニ、イバン・ガジディスCEOがジェンナーロ・ガットゥーゾ監督と緊急会議を行ったというミランは、29日にもクラブオフィスで"緊急サミット"が開催された。イタリア・メディアによれば、今季残りの4試合でのガットゥーゾの続投が決まったようだ。

 ただし、ガットゥーゾは、シーズン後の退任が既定路線とも報じられている。2017年11月、解任されたヴィンチェンツォ・モンテッラ前監督の後を継ぎ、ユースから昇格したガットゥーゾの3シーズン目はないとの見方が濃厚だ。

 現役時代に数々のトロフィー獲得に貢献した闘将でも、ミランを復活させることはかなわないのだろうか。29日のイベントに登壇したガットゥーゾは、「ミランの救いはいつもルールを順守することだったんだが……」と口にした。イタリア紙『Gazzetta dello Sport』が報じている。

「以前は素晴らしいメンタリティー、素晴らしい歴史があった。そして歴史をリスペクトしていた。今はもっと大変なんだ。選手たちのメンタリティーは変わってしまった」

 例えば、ロッカールームでの過ごし方もそのひとつだという。ガットゥーゾは「以前は音楽がかかるとしても、イタリアの音楽だけがかかっていたが、今それをすれば笑われる。みんなヘッドホンをしたり、プレミアリーグやラ・リーガを見ているんだ」と説明している。

「それが彼らの習慣なんだ。すべてが変わった。昔はロッカールームで音楽なんかかけず、試合に集中していた。監督になってからも、私はそうしようと試みた。だが、みんな音楽が好きなんだ。だから私が"身を引いた"んだよ」

 現役時代にガットゥーゾを指導したカルロ・アンチェロッティ(現ナポリ監督)も、「今は20年前と比べ、指導がもっと難しくなっている。集団意識が存在しないんだ」と同調している。

 もちろん、時代が変われば指導やマネジメントも変わるものだ。だが、黄金期をつくったガットゥ-ゾやアンチェロッティの言葉を、黄金期の復活を願うミランのファンはどう受け止めるだろうか。

 来季のCL出場権を巡る4位争いは混迷を極め、勝点59の4位アタランタに続き、ローマが同58の5位、同56で6位にトリノ、7位にミランが続いている。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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