小林悠の今季初ゴールの背景に見えた川崎の変化。浮かび上がる大島僚太の存在感

2019年04月24日 本田健介(サッカーダイジェスト)

小林はACLの蔚山戦で今季初得点をマーク

チームメイトと喜ぶ小林。公式戦12試合目にして嬉しい今季初ゴールとなった。(C)SOCCER DIGEST

[ACL グループステージ第4戦]川崎2-2蔚山現代/4月23日/等々力陸上競技
 
 予兆はあった。4日前のリーグ8節の湘南戦では数度の絶好機を仕留められなかったが、キレの良さを見せ、「もうすぐかなという感覚も個人的にはあります」と語っていたのだ。
 
 そしてACLのグループステージ第4戦で、小林悠に生まれたのが嬉しい今季初ゴールだった。
 
 8分、相手エリア内右でグラウンダーのパスを受けた小林は、迷わずに右足を一閃。矢のようなシュートはゴールネット左に豪快に突き刺さり、チームに貴重な先制点をもたらしたのだ。今季は元ブラジル代表FWレアンドロ・ダミアンが加わり、若きストライカー・知念慶の台頭もあって、小林は主戦場ではない中盤右サイドで起用される回数が増えていた。器用な選手だけに中盤でのプレーも柔軟にこなしたが、開幕からゴールに見放される要因になった。
 
 
 それでもトップ下の中村憲剛が復帰した蔚山現代戦は、慣れ親しん4-2-3-1のCFで先発。
 
「練習から(中盤の)右でやることが多かったですが、久しぶりの1トップだったので、どうしても(ゴールが)欲しかったですし、支えてくれた家族やサポーターのためにも少しでも早くゴールを決めたいという気持ちはありました」
 
 その想いが結実した見事なシュート――そして小林のゴールの背景にはチームの復調ぶりが表われていたのも見逃せない。
 
 グループ3位の川崎にとって蔚山現代戦は、是が非でも勝点3が欲しいゲームだった。それだけにドローという結果は残念だが、小林も「同点だったのでこんなことを言うのはあれですが、手応えがありました。感覚が戻って来たなというか、今は点が取れそうだなというサッカーをできています。やっていて楽しさもありますし、徐々に良くなってきています」と語る。
 

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