【ACL展望】大邱FC×広島|何が起きるか分からない韓国でのアウェー戦は勝点1でもOK

2019年04月23日 中野和也

前線からのプレスをかけ、できるだけ高いゾーンで戦いを組み立てたい

故障者/広島=青山、D・ヴィエイラ
出場停止/広島=皆川

ACLグループステージ第4戦
大邸FC-サンフレッチェ広島
4月23日(火)/20:00/フォレストアリーナ
 
サンフレッチェ広島
今季成績(ACL):3位 勝点6 2勝0分1敗 4得点・3失点
 
【最新チーム事情】
●3節に続き、リーグ戦メンバーが数多く出場か。
●水本がACL対メルボルン・ビクトリー戦以来のメンバー入り。
 

【担当記者の視点】
 勝点6で3チームがならぶ混戦となったグループリーグだが、広島がここで大邱と引き分け以上なら、最終的に勝点で並んだ時に当該戦績で彼らの上に立つことができる。広島にとっては勝点1でもOKな試合だが、それをACLのアウェー戦で狙ってできるほどの経験値は今の広島にはない。
 
 ACLはホームとアウェーで戦い方も変わってくるのが常識。まして韓国のチームは、ホームになると強烈な圧力をかけ、相手を押し込んでくる。そのプレッシャーの前に広島は過去、常に膝を屈してきた。実際、対韓国アウェー戦では2分2敗と勝利がない。さらに大邱は今季、新しいホームスタジアム(フォレストアリーナ)で戦っているが、このスタジアムでは未だに公式戦負けなしが続いている。
 
 相手のエースストライカー・エドガルはKリーグでの直近の試合(浦項戦)でメンバーから外れ、広島戦での出場も不透明。また、前回の広島戦で先発し浦項戦でゴールを決めているキム・ジンヒョクは兵役のために試合に出られない。大邱も決して万全ではないが、しかしそれを跳ね返すスタジアムの雰囲気は絶大。広州恒大もこのスタジアムでは1-3と敗れている事実は「チームとしての質の高さに加え、このスタジアムの雰囲気の素晴らしさが選手たちを後押ししている」(城福監督)と考えざるをえない。
 
 ACLのアウェーは、常に何が起きるかわからない。想定外のことが起きたとしても「冷静にコミュニケーションをとり、スタジアムの空気にのまれないように、広島らしいプレーを心がけたい」という城福監督の言葉につきるだろう。
 
 一方で戦術的な視点に立てば、相手の圧力を受けすぎないように前線からのプレスをかけ、できるだけ高いゾーンで戦いを組み立てたい。それがわかっていても、やりぬくのが難しいのがACLのアウェー。しかし、それをやり抜かないと、セシーニャやキム・デウォンら質の高いアタッカーを揃える大邱の攻勢を凌いでカウンターをとることもできない。
 
取材・文●中野和也(紫熊倶楽部)
みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事