【U-18高円宮杯】明日開幕のEASTを徹底解剖!戦力充実の清水、注目の選手権覇者・青森山田は…

2019年04月06日 安藤隆人

中学3冠世代が最高学年となった清水を追うのは?

U-18代表の川本(右)と武田(左)。いずれも攻撃能力に長けたリーグ屈指のアタッカーだ。(C)SOCCER DIGEST

 4月6日と7日にU-18高円宮杯プレミアリーグが開幕する。昨季はWESTを制した広島がEAST覇者・鹿島を下し、年間王者に輝いた。果たして今年はどのチームが戴冠するのか。参加するのは20チーム。EASTとWESTに分かれ、ホーム&アウエー方式でのリーグ戦を戦う。

 各リーグの優勝チームは12月15日に行なわれる日本一決定戦、プレミアリーグファイナルへ出場。また、9位以下のチームは各地域のプリンスリーグに降格する。1年間を戦い切るチーム力が試されるなか、本稿ではユース世代最高峰の戦いを展望する。

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 昨季は、FC東京U-18がプリンスリーグ関東、富山一がプリンス北信越に降格。代わって、参入プレーオフを勝ち抜いた尚志と大宮U18が新たに加わった。
 
 今季の顔ぶれを見ていくと、青森山田、清水ユース、柏U-18、流経大柏、市立船橋が戦力的に充実している。
 
 清水ユースは中学時代に全国3冠を達成したメンバーが最高学年に。彼らは昨年度のクラブユース選手権を制し、残すはプレミアリーグEAST&ファイナルとJユースカップ王者。これらを勝ち取れば、中学、高校で全タイトル獲得になるだけに、モチベーションは非常に高い。
 
 MF青島太一、成岡輝瑠、五十嵐海斗、FW川本梨誉(いずれも3年)、MF青島健大、成岡輝瑠(2年)は注目すべきタレントで、個の打開力と組織で連動できるフットボールインテリジェンスを持つ。そしてペルーからやってきたFWノリエガ・エリック(3年)は、日本のサッカーに慣れるのに時間がかかったが、今年は順応。徐々にダイナミックな突破やシュートセンスを披露し、かなりスケールアップした印象がある。

「今年は昨年を経験してきた選手を中心にかなり意識が高い年代。チーム内競争も激しくなってきていて、誰が出ても力を発揮できる」と平岡宏章監督が目を細めたように、3月中旬のサニックス杯では控えメンバー主体で青森山田に勝利するなど、かなりの戦力を有するチーム。優勝候補筆頭と呼んでも過言ではないだろう。

 青森山田はプロ注目の司令塔・武田英寿(3年)と、2年生CB藤原優大が軸となる。ここに昨年はあまり出番を掴めなかった新3年生が台頭。変化に富んだドリブルが持ち味のMF得能草生、クレバーで展開力に優れたMF古宿理久らがふたりの脇を固める。

 また、青森山田中出身のMF松木玖生が1年生ながら伝統の出世番号である7番を託され、レギュラーに抜擢。松木と古宿のダブルボランチが徐々に噛み合い、個性を発揮し始めている。
 
「ボランチこそがチームの心臓」と口にする黒田剛監督にとって、彼らの成長は非常に大きい。武田が高校選抜のヨーロッパ遠征で2節と3節を欠場するのは痛いが、台頭してきた新戦力が穴を埋める働きをするはずだ。

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