【現地発】称賛を集める「バルサの生え抜き」カルレス・アレニャは将来のリーダー候補?

2019年04月05日 エル・パイス紙

メンタルの強さはカンテラ時代から。

14節のビジャレアル戦でラ・リーガ初得点を挙げたアレニャ(右)。メッシのパスを受けて見事なループでネットを揺らした。(C) Getty Images

 昨シーズン終盤、翌シーズンからのトップチーム昇格を正式に伝えられた時、カルレス・アレニャは満面の笑みを浮かべていたという。しかし、その数日後に行なわれたラ・リーガ2部最終節のサラゴサ戦で右大腿のハムストリングの腱を断裂する大怪我に見舞われてしまう。

「信じられなかった。人生の中でもっとも辛い瞬間のひとつだった」と当時を振り返る。しかし心は決して折れなかった。プレシーズンに、首脳陣からコンディションを取り戻すためにしばらくBチームでプレーするようにと告げられた時も、嫌な顔一つせずに従った。

 アレニャが試練を成長の糧にするのは、その時が初めてではない。2シーズン前、コパ・デル・レイのエルクレス戦(2016年11月30日)でトップチームデビューを飾った時もそうだった。

 1ゴールを挙げる活躍を見せたにもかかわらず(結果は1-1の引き分け)、その数日後、当時の監督ルイス・エンリケから「コンビネーションプレーを磨く必要がある。居心地のいいゾーンでパスを受けるだけなら、今の俺でもできる」と苦言を呈された。しかしアレニャは腐ることなく懸命に練習に励み、課題の改善に取り組んだ。
 
 このスペイン人MFは、8歳の時にバルサのカンテラに入団。当時はリバウドに憧れウイングを主戦場としていた。

 エルネスト・バルベルデ監督は今シーズン、アルトゥーロ・ビダル、イバン・ラキティッチと同様に得点力のあるアレニャを、インサイドハーフとして起用している。バルサの中盤は言うまでもなく超がつくほどの激戦区だ。

 だからこそ、アレニャは強い覚悟を持って毎試合に臨んでいる。「10分間のわずかな出番であっても、キャリアの全てを賭けたような気持ちの籠ったプレーを見せている」という関係者もいる。

 カンテラ在籍時代に指導したコーチによると、こうしたメンタルの強さは子供の頃から見られたという。

「いつもリーダー的な存在だった。飛び級でプレーしていたからチームでも最年少のひとりだったんだけどね。チームのプレーが低調になるとロッカールームの雰囲気も元気がなくふさぎがちになるんだけど、そんな中でも積極的に意見していた。しかも驚くのは、その一つひとつが建設的だったんだ。だからチームメイトも自然と彼の言葉に耳を傾けていた」
 

次ページ関係者は口を揃えて称賛。

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