“怪童”エムバペに真っ向勝負を挑んだ昌子源へのフランス・メディアの評価は?【現地発】

2019年04月01日 結城麻里

エムバペを食い止める重役を担う。

エムバペに臆することなくデュエルを挑んでいった昌子。二人の対決はこのビッグマッチを大いに盛り上げた。 (C) Getty Images

 トゥールーズの日本代表DF昌子源は、現地時間3月31日、本拠地でパリ・サンジェルマンとの初対戦を迎えた。惜しくも0-1での敗北だったが、昌子の落ち着いた守備には一定の評価が集まった。

 この日のパリSGは半ばBチームと言える構成だった。というのも、故障離脱中のネイマール、エディンソン・カバーニの両エースはもとより、アンヘル・ディ・マリアもマルコ・ヴェッラッティもチアゴ・シウバも先発を外れたからだ。

 見方を変えれば、トゥールーズにとってはパリSGを相手に勝点1以上を稼げる千載一遇のチャンスであり、大きな話題にもなりうる試合だった。

 そんな一戦での注目ポイントは"怪童"キリアン・エムバペを誰が止めるのか。トゥールーズがその重役を託したのが、4バックの右CBで先発した昌子だった。

 立ち上がりのトゥールーズは果敢に攻勢に出た。昌子も精緻なロングパスでのビルドアップでチャンスメークに寄与。だが、それも15分と続かなかった。怪童が目覚めたのだ。

 16分、エムバペが持ち味のスピードで左寄りの位置から敵陣を走破。昌子は必死に追いすがるも追いつけず、最後は足がもつれて躓いてしまった。
 幸いにもエムバペの鋭いシュートは、トゥールーズのGKバティスト・レイネが弾き、そのこぼれ球を押し込みに行ったマキシム・シュポ=モティングのシュートも枠を外れて失点にはならなかったが、「悪夢の始まりか!?」と、ヒヤッとするシーンだった。

 このプレーを機にエムバペはギアを上げていった。昌子と右SBのケビン・アミアンの間に狙い定めたかのように、18分、20分、23分と立て続けにドリブル突破を仕掛けてきたのだ。

 だが、日本代表DFは、パニックに陥ることはなく、懸命かつ冷静に対応し続けた。この昌子のプレーに試合中継を担っていたフランスのテレビ局『Canal+』は、「ショージがまたクリア。クリーンにビルドアップしていますね」と高評した。

 その後もエムバペは幾度となく仕掛けてきたが、昌子は負けなかった。44分には、楔のパスを受けようとしたフランス代表FWを潰して、デュエルに勝利。これには、『Canal+』も、「ショージの素晴らしいブロックでした」と絶賛した。

 何かコツを掴んだのかもしれない。昌子は後半も巧みに守った。50分にはエムバペの動きを先読みしてボールを奪取。インテリジェンスな面が際立っていた。

次ページフランス全土が注目する試合でアピールに成功。

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