久保のジョーカー起用に長谷川監督が手応え「建英を入れてこじ開けたのは成長の証」

2019年03月30日 サッカーダイジェストWeb編集部

カウンターの起点になり、75分の先制弾に絡む

浦和戦に途中出場した久保は、頻繁にボールを引き出し、精度の高いパスで攻撃を牽引した。(C)SOCCER DIGEST

[J1リーグ5節]浦和1-1FC東京/3月30日(土)/埼玉
 
 アディショナルタイムに同点弾を食らったものの、長谷川健太監督の表情にそこまで曇りはなかった。その理由は、62分に打った一手が奏功したからだろう。
 
 0-0の緊迫した展開が続くなか、FC東京の指揮官は62分に2トップの永井謙佑を下げ、久保建英をピッチに送り出した。すると、この17歳の俊英を軸に、攻撃が機能し始める。75分にはクリアボールを拾った久保がカウンターで持ち上がり、左サイドの東慶悟へスルーパス。最後は東のクロスをディエゴ・オリヴェイラがヘッドでねじ込み、待望の先制点を奪った。
 
「レッズも4バックにして彼らのらしさが出た試合だと思いますし、そういう意地と意地がぶつかり合うような展開のなかで、建英を入れてこじ開けたのはひとつ大きな成長の証だと思います」
 
 長谷川監督は久保の投入によって変わった流れをそう振り返り、さらに続けた。

「永井はどちらかと言えばスペースを狙うタイプの選手ですが、建英は足下でしっかり受けられるタイプ。少し攻撃の変化を加えたかったということで建英を前で使いました」
 
 4節の名古屋戦まで右サイドハーフを任せていた久保を「前で使う」ことで、狙い通りに攻撃のリズムやテンポに変化を生み出した。抜群のスピードで裏を取る永井から、テクニックを活かしてタメを作る久保へのシフトチェンジには、相手も相当に手こずったはずだ。

 勝点3こそ逃したが、久保のFW起用が奏功したこの浦和戦は、小さくない収穫を得られた。FC東京の攻撃のバリエーションは、今後さらに増えていきそうだ。
 
構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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